いつもお世話になっているお客様のご依頼で、自宅リビングに設置されている天井カセット形パッケージエアコンの取替工事にお伺いしてきました。
三菱電機 PLZ-ZRMP80SELFR 人感ムーブアイ搭載スリムZRタイプをお買い上げいただきました。
既存機は2003年製のダイキン。15年選手です。
広いリビングとキッチンが続きになっていて、リビング側とキッチン側にそれぞれ3馬力の天カセが設置されています。
奥様が調理の際に、料理が乾燥するのでキッチン側はほとんど使われておらず、主にリビング側のみ使われてきたそうですが、この夏「どうもエアコンの効きが悪くなった。」との事で、先月末頃にご相談いただいていました。
こちらのお宅、以前にもルームエアコンの取替えで一度掲載させていただきましたね。
室外機が全部、ブロック塀側に設置されていて、建物側へ吹出す様になっています。
なぜこの様な設置方法になっているかと言うと、新築当初はブロック塀が無くて、お隣のお庭へ向けて設置するのは、音や風の問題があってこの様な設置になったそうです。
今はブロック塀があるので、今後入れ替えの度に建物側へ設置していくことにしています。
話がそれてすみません(^_^;)
エアコンの効きが悪い原因を探っていきます。
一番奥に設置されているのが、リビングの室外機です。
運転してみると、ファンも回っているし、コンプレッサーの運転音も聞こえます。
カバーを開けて内部を点検。。。え?
あ、気の弱い方はマジマジと見ないでください(^_^;)
よく見る光景ですが、これが原因で効きが悪い訳ではなさそうです。
しかし単相200Vで3馬力のエアコンに、電源ケーブル2.0mmのVAは信じられません。
メーカーの仕様書ではブレーカー容量30Aなので、それを満たす2.6mmか、CV5.5sqのケーブルでないといけませんね。
実はこれ、結構見掛けるんですよねぇ...
また話がそれました...(^_^;)
冷えない原因は、ガス不足か圧縮不良、四方弁の不具合の様です。
冷媒配管が冷たくありません。
この時、ゲージマニホールドを持っていなかったので、ガス圧測定はできませんでした。
「どちらにしても15年経ってるので、取替えてください。阿部さんまだお忙しいでしょうから、手の空いた時でいいですよ。キッチン側のエアコンが使えますから、急ぎませんので。」と、ありがたいお言葉を頂戴しましたが、キッチン側も同じ年式なので何が起こるか判りません。
急いでお見積りをさせていただき、機器を手配しました。
しかし... メーカーにエアコン室外機が在庫切れ...(T_T)
製造上がりが1ヶ月後と言う納期が出てきました。
仕方ありません。
日本国内は、水害から台風、地震で、たくさんの地域が被災しています。
まだまだ暑い時期ですから、エアコン復旧は最優先。
ものが無いのは当然だと思います。
という訳で、結果お客様のお言葉に甘えさせていただく様になり、約一ヶ月後の昨日から工事に取り掛かっていました。
初日の昨日は、室外機周りの撤去・搬入・電源ケーブル新設でした。
先ほど書きましたが、入れ替え時に室外機の向きを変えていきますので、今回取替え機と、そのすぐ側にあるルームエアコンの室外機を取外します。
なぜルームエアコンも外すかと言うと、距離が近すぎて、パッケージエアコンが吐き出す熱風をルームエアコンが吸い込んでしまい、サーキュレーションを起こしてしまうため、同じ方向に向けるためです。
この時、やっとゲージでガス圧測定ができましたf(^_^;)
わぁ...キレイさっぱりガスが残っていませんね。
今年いきなり効かなくなったので、恐らく機器内部から漏れたものと思います。
撤去するためにブレーカーを切る訳ですが、名称のブレーカーを切ってもエアコンが切れません???
おかしいなぁ...どうなってるんだろう?
じっと目を凝らして見ると。。。
酷いですね、この電気工事屋さん。最終チェックができてない証拠です。
一つづつずれていますよ。これは後で修正しますね。
室外機を撤去しました。
すごいですね。
パテ埋めされてないから、この穴が通気口代わりになってますよ。
小動物も入り放題です。
冷媒配管がユニオン継ぎ手で繋がれているのは想定内です。
ここは後ほど、溶接延長します。
気になったのは、室内室外の接続ケーブル。
1芯が微妙に切れていました...
このエアコン、よく動いていましたね(^_^;)
被覆が切れたところから水が入ったのか、緑青の様になっていました。
隠蔽配管とケーブルは流用するので、切れている所を切断して圧着延長します。
室外機を置くところを決めて、架台を組みます。
底面の腐食防止と、少し高さを上げる事で放熱効率をよくします。
新しい室外機をセットしました。
既存機は一番奥にありましたが、床暖ボイラーの眼の前なのと、窓があるためこの位置まで移動しました。
電源工事に掛かります。
分電盤から、VVF2.6mmx2cを2系統引っ張ります。
壁内は通らないので、天井裏から外壁側へ。
塩ビ管を使って保護、立ち下げます。
基礎を横引きして、室外機まで延長しました。
2系統引っ張ったのは、キッチン側の室外機へも。
どうせ近い将来こちらも取替えになるので、この際に入れ替えておきました。
名称通りにブレーカー位置を変更。
ブレーカー容量を20Aから30Aに取替えて、電源工事完了です。
電源工事をやっている間に、親父が配管溶接延長を行っていました。
狭い場所なので、作業はかなりやりにくいです。
こんな感じで延長、接続完了です。
と、ここまでが昨日の作業でした。
突然雨が降り出したりと結構バタバタでしたが、何とか室外機周りが完了。
電源工事がなければ、もっと早いんですけどね...
で、本日。
室内機周りに取り掛かります。
室内機を降ろす前に配管類を外すのですが、ドレン管は手で回したらスポッと外れてしまいました(・_・;)
ダイキンの場合バンドで締め付けるところなんですが、「バンドが無いよねぇ~。接着剤で付けてるのかなぁ?」と思ってたんですけど。
凄いですねぇ、今まで水漏れしなかったのが凄いと思います(^_^;)
既存機を降ろしていきます。
「わぁ!凄いですね!こんな機械でやるんですか。初めて見ました。」と、お客様がかなり感動されていました(*^^*)
でもこれ、開口部と室内機の寸法がビチビチで、かなり神経使いながらゆっくりと降ろしました。
これも酷いですね。
最低開口寸法は860mmです。
これは設計士さんが悪いんですか?大工さんが悪いんですか?空調屋さんの指示不足?
新築時はいろんな業者さんとの間の意思疎通が重要ですね。
仕方ないので、必死で850mm角まで開口しなおしました。
それ以上は、天井補強が入っているので無理です。
余計な時間が掛かってしまいました。
既存の配管経路は、梁があるのと天井補強があるので、経路を変えるため延長します。
あ、接続部分はこの後、しっかりと断熱してあります。
室内機を吊るためのアングルを取付けて、吊りボルトを降ろします。
新しい室内機を吊り込みます。
ホント、開口寸法がビチビチで、神経使います。
かなり狭いスペースに腕を突っ込んで、配管類を接続していきます。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。
今日は晴れましたが、湿度が高いのでムシムシ。
しっかりと真空引きします。
室外機周りは、こんな感じで完成です。
ルームエアコンの室外機は奥の方へ設置しました。
今回設置の室外機には、吹出ガイドを取付けて、上向きに放熱する様にしています。
ブロック塀が近いですから、この様な対策は省エネ面だけでなく、機器の寿命にとっても重要です。
室内機にパネルを取付けて、電源投入。
試運転を行い、異常がない事を確認してお引渡しです。
人感ムーブアイ搭載のスリムZRタイプは、三菱業務用パッケージエアコンのフラッグシップモデルです。
省エネで、快適なリビング空間の完成です(^^)
「お忙しい中、ありがとうございました。これで当面安心です。また他の部屋も同じ年式なので、また近いうちにお願いするかも知れません。また阿部さんにお願いしますからね。」と、大変お喜びいただきました(*^^*)
ところで、どこからガス漏れしていたのかどうしても気になったので、持ち帰った室内機を分解してみました。
オイルっぽいのが見えたので拡大してみます。
あぁ、間違いない、ここからのガス漏れですね。
オイルまみれになってました...
15年目ですから、寿命と考えましょうかね。
ダイキンだし(^_^;)
アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。
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