2020年1月30日木曜日

愛媛県立吉田高等学校で冷凍空調設備工業会の体験学習出前授業を行いました

今日は、愛媛県冷凍空調設備工業会の担当理事として、朝早く高速に乗って南予の吉田町まで体験学習出前授業に参加してきました。


お伺いしたのは、愛媛県立吉田高等学校。

吉田高校は普通科だけでなく、機械建築工学科、電気電子科などがある、技術系の学校でもあります。
愛媛県冷凍空調設備工業会では、現在の会長のご縁から、数年前から出前授業を行っています。
阿部は今期から理事となり、この事業の取りまとめを任命されています。
阿部にとっては初めての事ですから、今回は今までの授業の流れを確認するために、サポートに回りました。

授業は三時限の枠をいただいて、我々の業界についての説明、どのような仕事をしているか、環境問題やフロンガスについて、エアコンの仕組みなどの座学を行ったあと、実際にエアコンを持ち込んで配管を接続、真空引きを行って試運転までの一連の作業を披露。


一通りエアコン工事に関して興味を持ってもらった後、実際に銅管の接続部分を加工する、フレア加工作業を体験してもらいます。


用意したのはフレアユニオンと銅管。
使用する工具はフレアツールとリーマー、パイプカッター。


まずパイプカッターで銅管を切断することから始まり、切断面のバリをリーマーでキレイに取り去ったあと、フレアツールでフレア加工を行います。


エアコン工事ではこの作業が一番の肝です。
銅管を開いたフレア部分は、パッキンの役目も行うため、キズの無いピカピカの鏡面仕上げにならないといけません。


こんな感じで接続して、フレアナットを締め込む仕組みです。

なぜバリ取りが必要か、なぜコンマ何ミリの加工が必要か、各テーブルで細かく教えてあげると、「へぇー」と笑顔で理解してくれました(^^)

質疑応答の場面では、やっぱり気になる資格についての質問が。

高校生の間に取れる資格、社会人になって経験年数を踏まないと取れない資格などさまざまあるこの業界。
日々勉強のこの業界に少しでも興味を持って、近い将来同じ世界で仕事ができたらいいですね(*^^*)

さて、阿部はこの経験を持ち帰って改善点を練り直し、松山の高校でもこれを活かして活動ができないか模索をする任務があります。
青年部とも連携していいものを作って、我々の業界にひとりでも多くの優秀な若い人材が加入してもらえる様、頑張ってまいります<(_ _)>

2020年1月26日日曜日

令和元年度技能検定(冷凍空気調和機器施工)の検定補佐員としてお手伝い

本日は、松山共同高等職業訓練校で「令和元年度冷凍空気調和機器施工技能検定」の実技検定が開催され、そのお手伝いに参加してきました。

はぃ。阿部は今年も「技能検定補佐員」を委嘱されまして、受験されるみなさんを見守ります。


技能検定は、国がその技を認める国家資格です。
 → 厚生労働省:技能検定制度について


一昨日の金曜日に、会場設営のお手伝いも行っていました。
結構やることが多いんですよ...


試験は、朝9時5分から用意スタートで一斉に作業開始。
みなさん真剣です。

最初の段階は、与えられた図面からベニヤ板へ実寸を描き込み。
配管をベンダで曲げ加工、接続部分のフレア加工などを行っていきます。

それぞれの経験からいろいろなやり方や使っている工具も様々なので、見ていて飽きません(^^)

ある程度配管加工ができた人から、ガス溶接作業に掛かります。

ガス溶接は冷凍機・空調機を扱う職人としては基本中の基本作業です(^^)
でも今年の受験生の方々は、あまり慣れていない様な感じでした。

最近は酸素を使わないアセチレンのみの溶接機を使う方が増えたからかも知れませんが、酸素とアセチレンを上手く混合させれない方が多かったです。
単に緊張してただけかも知れませんけど...

作業が終わると、最後の気密試験に掛かります。
気密試験を行うと、漏れていようが失敗していようが、手直しは一切できません(^_^;)

作品を水槽に沈めて、窒素ガスを流して規定圧力4.0MPaまで昇圧します。
規定時間放置し、漏れがなければ「気密試験は」合格です。
みなさんここで緊張の糸がほぐれて、満面の笑顔になります(*^^*)

泡がブクブクと出てきた方は... 来年頑張ってください(´・ω・`)

笑顔で帰った方、落胆の表情で帰った方、人生いろいろ。

受験者のみなさんが帰られた後、昼食を挟んで審査を行います。


そうです、気密試験で漏れがなくても、ここから減点方式でチェックが始まります。
図面通りの寸法になっているか、ミリ単位で減点されていきます。

ベンダで曲げた所の配管の変形まで、デジタルノギスを使って正確に計測されます。

溶接部分の美しさや、フレア接続部分をバラして、きれいなフレアが仕上がっているかもチェックされます。

ハッキリ言って、もの凄い厳しい判定基準ですよ。
そりゃその方に一生付いてまわる、国がその技を認める国家資格ですから。

作品は一級、二級の中から、仕上がりの良さと基準適合率を見て、二名ずつの作品をチョイス。
この優秀作品の結果と、後日行われる筆記試験の成績を加味して、優秀者表彰を行います。
成績優秀者には、晴れの舞台で表彰状と盾の授与式が行われるんですよ。
阿部は愛媛県技能士会長賞をいただいた経験があります。

資格取得はその人のレベルアップだけでなく、気持ちの上での責任感と一層の向上心を持つことができます。
特にこの技能士制度は、自身の腕試しの様な感覚で受験ができます。
「電気工事は電気工事士へ。」と同じく、環境問題の観点からも「エアコン工事は冷凍空気調和機器施工技能士へ!」という時代が来ることを、切に願っています。

これからもこの業界の発展と、優秀な技術者育成のお手伝いができる様、頑張ってまいります(^^)

2020年1月25日土曜日

電力契約を変更して基本料金を削減する電気工事

年明けから取り掛かっている、FB友さんからのご依頼の店舗移転のためのリフォーム工事の中の、電気設備工事が完了しました。


最初のご相談は、「移転先の電気代が気になるのと、電気工事をお願いしたいです。」というお話でした。
店舗兼住宅だった中古建物を購入されたとの事で、現地調査にお伺い。

既存の分電盤の右上に、電力量計と分電盤があります?

どうも、税務申告のため、住宅エリアと店舗エリアの電気使用量を分けて見ていた様です。
既存のブレーカーが空いているのは、店舗エリアのブレーカーですね。


税務申告を分けて提出する場合は、こうすることがありますね。
以前にも他のお客様で施工させていただいたことがあります。

ただし今回入居されるお客様は、そこまで電力使用量が多い訳でもなく、分けて申告する事もないので、「この辺をすっきりさせたい」とのご意向で、こちらは撤去して既存分電盤へ集約します。

さて、「電気料金に基本料金が掛かっているみたいで、まだ入居してないのに基本料金が4,000円くらい引き落としされる。」と言う当初のご相談。
調べてみると「従量電灯B」という契約になっていました。



建物全体で6kVAを超える場合、従量電灯Bが適用されます。

この建物は以前、店舗エリアが美容室だったため、全体で12kVAという契約容量でした。
変更申請していませんから、それがそのまま継続されている状態で、374円×12kVA=4,488円、電気をほとんど使ってない状態でも毎月基本料として引き落としされてしまいます。

電力会社側としては、変更申請されてないので知らない訳です。

現在の12kVAと言う契約容量を6kVA以下に抑えれば、「従量電灯A」に切り替えができます。



最低料金が411円ですから、大きな差額になりますね。

という訳で、12kVAと言う契約容量を半分の6kVA以下に抑えれるのか?というところですが、今回の場合は、消費電力の大きな電気製品を使っていた美容室から、ほとんど電気製品を使わない鍼灸院に変わるので、やってみる価値は大きいです。

店舗エリアはこんな感じでした。

動力契約の天カセエアコンについては、1月7日のBlogで撤去の模様を書きました。
なので、動力契約は解約済みです。

天井にたくさんの丸い穴が空いていますが、これはダウンライトの跡です。

リースで借りていたダウンライトだったらしく、撤去されています。
こんなにもたくさんのダウンライトがあれば、消費電力もかなりの物だったことが想像されます。

今回、クロスの貼り替えもあるので、ダウンライトの灯数を減らして、使用電力を少しでも抑えます。

電気図面を描いて、四国電力へ申請。

1階左側半分が店舗エリアですが、店舗エリアは住宅エリアに比べて換算係数が違うので、できるだけ不要なコンセントは撤去して、負荷を減らしています。

電力さんもいろいろ考えてくれて、なんとかギリギリ6kVA以内に契約容量を抑えることができて、申請が受理されました。

さて、工事に掛かります。


不要な電力量計や分電盤を撤去します。


既存の分電盤へケーブルを繋ぎ込んで、盤周りが完了。


店舗エリアのクロス貼りが終わると、照明器具を取付けていきます。


LEDタイプのダウンライトをご提案させていただき、採用されました。


かなりの台数のダウンライトを減らしましたが、鍼灸院なので落ち着いた明るさにできましたね。

奥には既存のLED照明が付いているので、明るさ的には十分です。

四国電力へ竣工報告を上げて、これで基本料金4,000円がなくなりました。
これ以降は、使ったら使った分請求が来る様になります。

とりあえず電気工事が終わりました。
リフォーム工事は、この後エアコン工事に移っていきます。
またそちらも完了したらBlogに書きますね。

アベ冷熱技研は登録電気工事業者で、第一種電気工事士が責任を持って電気工事を行います。
この様な電気工事も、お気軽にご相談ください。

2020年1月24日金曜日

ダイキン業務用エアコン エラーコード「U2」で修理作業

いつもお世話になっているカーディーラー様から、「エアコンの暖房が効かなくなったんですけど、阿部さん見てもらえませんか?」と点検のご依頼。
通常、他社施工品の修理は受けないのですが、2年前にアベ冷熱技研で洗浄させていただいたエアコンですので、スケジュールをやりくりして点検にお伺いしました。

2004年製造。ダイキン製天井カセット形パッケージエアコンです。


リモコンでエラーコードを確認します。

「U2」というコードが表示されました。

室外機側の不具合の様ですね。

室外機は屋上に設置されています。


制御基板のLEDランプは、緑が点滅、赤が点灯。


保護装置作動。

「U2」のコードと照らし合わせて、恐らくファンモーターとインバーター基板の不具合と思われます。

念のため、メーカーサービスと話しながら各部をチェック。
「インバーター基板の不良と思いますが、念のためにファンモーターも交換しておいた方がいいですね。ファンモーターの不具合で基板が傷んだ可能性もありますので。」との事。

ただし、16年目です。
部品があるかどうかは、仕入先経由で急ぎ調べてもらいます。
現状をご説明させていただき、部品がある場合の修理見積もりと、新しく取替える場合のお見積りを提出させていただくことになりました。

なんとか部品の在庫がある事を確認できたので、取替えは見送って修理の方向で部品手配。
ただし、16年経過しているので、動き出したとしても他の不具合が出るかも知れないという事は強くご理解いただいてお引き受けしました。

そして本日、部品が入荷したので修理にお伺い。
雨の予報でしたが、なんとか曇り空でのスタートです。

ファンモーターとインバーター基板を取外すため、分解していきます。

手前にあるのは制御基板です。

インバーター基板はその裏にあるため、手前のものは全部取外さないといけません。
こういうメンテナンス性の悪いところが、ダイキンキライなんですよねぇ...

なんとか撤去。
雨降るなよぉ...と念じながら作業を進めます。


外したファンモーターを手で回して見ると、上段に付いていた方が少し回転が重く感じました。

やはりファンモーターも換えておいて良かったですね。

新旧交代です。


インバーター基板も新旧交代です。


元通りに組み直して、電源投入。


試運転を行って異常がない事を確認します。


しばらく試運転をしている間に、配管の断熱材が劣化して銅管が裸になっていたので、、、


きちっと巻き直しておきました。

断熱材が取れてしまうと冷暖房効率が悪くなりますし、夏場は銅管が結露して室内側に露タレが発生しますからね。

はぃ、異常もなく、無事暖房が効きはじめたので修理完了。お引渡しです。

「助かりました。ありがとうございます。とりあえずこれで、あと数年持ってくれたらいいですけど...。急いでもらってすみません。またお願いしますね。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は、空調機器に精通した「 一級冷凍空気調和機器施工技能士」が修理・点検を行うので、安心してお任せいただけます。