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2025年9月23日火曜日

トレーラーハウスの電源工事とエアコン取付工事

初めてお取引きさせていただく建築会社さんのご依頼で、トレーラーハウスの電気工事とエアコン工事にお伺いしてきました。

アベ冷熱技研では、基本的に建築会社さんとの下請け契約は行っていません。
今回は自社の敷地駐車場に停めるトレーラーハウスの電源工事をしてもらえないかと言うことでしたので、最初にお取引き条件などの話し合いをさせていただいてお引き受けしました。
以前からアベ冷熱技研のX(旧ツイッター)をご覧いただいていて、いつかお願いしたいと思われていたそうです。

トレーラーハウスって何?って思われた方は、Googleで検索してください。
書くと長くなりますので...

今回トレーラーハウスを設置するのは広い駐車場の一角。
電源が必要な訳ですが、建物からはかなり距離があります。
道路に面しているので直接引込みしたいところですが、四国電力は同じ名義で同じ敷地内に引込線は1本しか入れれない事になっています。
なので、長距離を引っ張って来なくてはなりません。

位置でいうと真逆の方向に建物の引込計器盤があるので、ここから分岐するのが一番かと思います。

イメージはこんな感じですが、全長は50mを超えています。
しかも道路に面しているところは埋設しなくてはなりません。

打ち合わせを進めると、水道屋さんが水道管と下水管を埋設するために掘削するので、「配管持ってきてくれたら一緒に埋めておくよ」と神対応いただきまして、大いに甘えさせていただく事にしました。
重機を持ってるのは強いですね。

埋設する配管はPF二重管にしました。
埋設だけでなく露出ころがし配管も行うため、耐候性にすぐれたブラック色をチョイスしています。

いやぁ。一日で埋めてしまいました。仕事が早いですね。

水道屋さんが掘った部分しか埋まっていないので、こんな感じになっています。
お客様もこれで全然かまわないとの事なので、これで進めていきます。

ブロック塀沿いはころがし配管です。
ケーブルを延々と配管に通していきます。
50m以上ありますから電圧降下も考慮して、ケーブルサイズはCV-T14sqを選定しました。
はぃ。55m注文しました...
これをひたすら「一人で」引っ張るのです...

2個所中継ボックスを取っています。
配管が曲がっていると通りませんから。

炎天下の日陰がないところで、ひたすら引っ張り倒します...

こんな感じで予定の場所へコンセントボックスを設置。
将来このブロック塀は無くなるそうなので、配管は塀に留めずにころがしています。

ついでに、工事の際に必要な仮設コンセントを設置しておきます。

引込計器盤内で分岐したケーブルを、30Aの漏電遮断器へ接続して幹線工事完了です。

ここまでの工事が8月中に行ったものです。
本当は8月中に完工できる感じでしたが、肝心のトレーラーハウスが遠方からやってくるそうで、台風や豪雨の影響で遅れに遅れて先週到着しました。
はぃ。これがトレーラーハウスです。
タイヤが付いていてトラックなどで牽引して移動できる仕組みです。
なので、建物の扱いでは無いんだそうです。(これもGoogle検索で調べてみてください)

内装や配線工事はほぼ出来上がっていますが、ユニットバスはまだできていません。

先にエアコン工事に掛かります。

位置決めをして、配管穴を開けていきます。

気密性確保と小動物侵入防止のため、貫通スリーブを挿入しておきます。
ここまでが先週の作業です。

週明けにユニットバスが組まれていたので、本日仕上げにお伺いしてきました。
エアコンの続きから始めます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

外部配管は、アイボリー色のスリムダクトで化粧仕上げ。

室外機は壁面置台を使って設置。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成です。

電源工事に掛かります。
分電盤以降の二次側配線は既に組み上がっています。

一次側ケーブルは、ゴムキャブタイヤケーブルを使用します。
幹線で使う様なケーブルではありませんが、接続はいつでも抜き差しできる様にコンセントプラグを使うため、ケーブルに柔軟性が必要なのです。

盤から底まで空配管が通っているので、ケーブルを通していきます。

ハウス底面に、サドルでケーブルを留めていきます。

末端接続はコンセントボックス内で、引掛けコンセント式で接続します。

やり方はいろいろありますが、今回はこの様にしました。

分電盤にケーブルを接続して、ケーブルに異常がないかすべての回路の絶縁抵抗計で測定します。

あとは電源を投入して、エアコンの試運転。

異常がない事を確認して、お引き渡しです。

まだ水道屋さんの作業が残っている様ですが、いい感じに仕上がっていますね。

トレーラーハウスに興味がありましたらご紹介できます。


「お忙しいのに請けていただいてありがとうございました。またご相談すると思いますけど、よろしくお願いしますね。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は登録電気工事業者で、第一種電気工事士が責任を持って電気工事を行います。この様な工事も、お気軽にご相談くださいませ。

2025年8月25日月曜日

エアコン使い過ぎて停電...メインブレーカー60Aなのに?

先々週は長いお盆休みをいただいていましたが、実は休み中もいろいろとエアコンの不具合などのご連絡をいただいていましたが、ほぼお電話やメールで済む案件でした。
その中で、通常なら緊急案件というご連絡が、古くからお世話になっているお客様からありました。

「阿部さん、お休みのところすみません。ブレーカーは切れてないのに、エアコンが全部使えなくなって、キッチン周辺のコンセントとか照明だけ使えるんですけど、これどういう事か解りませんか?」と。
以前にも他でこういうお問い合わせがありましたから、四国電力へ相談されてみてくださいと一旦電話を切りました。
ブレーカーが切れてないなら、電柱側のヒューズだろうという考えです。
しばらくしてお客様からご連絡があって、「スマートメーターで電圧確認したら電力側の異常ではないので、電気工事屋さんに確認してもらってください。と言われました。」と。

ああ...分電盤のメインブレーカーの故障かなぁ... 盆休みなのでブレーカーは手に入らないし...と考えていると、「阿部さん、これ自宅じゃなくて別宅の方なんで、とりあえず冷蔵庫は使えてるんで、盆休み明けでいいですよ。エアコンで忙しいでしょうから、9月でもいいし。」とのお言葉にベッタリと甘えさせていただいていました。

でもまぁすごく気になるので、盆明けに点検にお伺いしていました。
分電盤のメインブレーカーは60A。
十分な容量があって、ハンドルはONになっています。

単相3線式なので一次側の線は、R相(赤)・N相(白)・T相(黒)の3本線でメインブレーカーに接続されています。

まず、T相とN相の間の電圧を測ると100V以上出ていて異常なし。

次に、R相とN相の間の電圧を測るとほぼ0V... 
メインブレーカーの異常ではなく、R相側が欠相している(切れている)様です。

でも、電力さんはスマートメーターまでは異常なしと判断されていました。
スマートメーターのところへ行ってみると、古いボックスが...

蓋を開けると、、、うわぁ...CKS(カバースイッチ)だ...

しかも、30Aって記載がありますよ...
分電盤のメインが60Aなのに、CKSが30Aって狂ってますよね...

カバーを開けてみると案の定...

R相側のヒューズが見事に溶断していました。
CKS内にはこの様なヒューズが入っていて、容量を超えるとヒューズが溶けて回路を遮断して、ケーブルが燃えない様に保護する仕組みです。
近年ではCKSは使われません。ブレーカーを設置するのが基本です。
今回の様に、ヒューズが切れてしまうと交換するまで電気が使えないからです。

そもそも分電盤が60Aメインなのに、なぜ30Aなのか。
お客様にお聞きすると増改築を繰り返していて、建築屋さんが連れてきた電気工事屋さんが分電盤を取付けた様です。
本当に電気工事屋さんだったんでしょうか?
有資格者ならこの様な工事は行いません。

引込点からメーター経由~分電盤までのケーブルサイズは8sqでした...

VVR8q×3cなので、ケーブルの許容電流は40A程度です。
60Aメインは恐ろしいですね。
30AのCKSが無かったらと思うと、ぞっとします...

さて、どうしたものかと言うことで、数日考えて本日この様にしました。
CKSを取外して、サーキットブレーカーに替えました。

電力申請してケーブルを張り替えて、分電盤の60Aメインを目一杯使える様にするのが最善策である事は百も承知ですが、そうなると結構な費用が掛かります。
増築を繰り返しているので正確な図面も無いため(本来であればないとオカシイ)、建物の図面から作らないといけないため、かなりの時間も掛かります。
最初に書きましたが、この建物、自宅ではなくて別宅です。
たまに来ては寝泊まりする程度の状況で、急いで費用を掛ける必要はありません。
今回はエアコンを使い過ぎてヒューズが切れたんですから、使い過ぎない様に使えばいい話ですね。

という事で、CKSをブレーカーに交換して、すべての電気が使える様になりました。
これで終わりではなくて、分電盤に行き先表示がなかったので、各回路を調べてみたら...
上段に100Vのエアコン回路が並んでいました...
上段がR相側ですから、エアコン3台を一斉に運転すると切れて当然ですね。

ちなみにリビングの200Vエアコンと寝室の100Vエアコンを運転している状態で、電流値を測ってみます。
まずはT相。 5.48A。

R相は... 19.4A...
流れる電流値が非常にバランスが悪い状態です。

R相とT相にバランスよく配分するために、エアコンの回路を振り替えました。

これで少しはマシになりました。
はぃ。マシです。完璧ではありません。
どちらかの相で30A以上電流が流れると、メーター脇の30Aブレーカーが切れる事になります。
この状態をしっかりとお客様にはご説明させていただいて、今回はこれで復旧完了とさせていただきました。

ちなみにこの様な修理作業は、基本的に施工した業者さんへ依頼をお願いしています。
懇意にさせていただいているお客様以外はお引き受けしませんのでご了承ください。