2025年5月13日火曜日

室内機2台のマルチエアコンを1対1のルームエアコンへ取替工事

いつもお世話になっているお客様のご依頼で、エアコン取替工事にお伺いしてきました。

三菱電機 MSZ-AXV2825S-W ムーブアイ搭載霧ヶ峰をお買い上げいただきました。

既存機はダイキンです。
このエアコン、室外機1台、室内機2台のマルチエアコンです。
今回取替えるのは、こちらのエアコンだけ。

もう1台は2畳ほどの納戸兼書斎に設置されていて、こちらは将来的にも使わないという事で撤去してしまいます。

今回取替えるエアコンは2階にあって、室外機もベランダに設置されていました。
今回取替えにあたって、「外壁に穴を開けて露出配管でもいいですよ」との事でしたが、この状況から室内機と室外機の位置関係と配管経路を考えると、隠蔽配管を流用する方が良いと判断しました。
はぃ。隠蔽配管なんです。

では作業に掛かります。
既存エアコンは故障している訳ではないので、ポンプダウン運転を行ってフロンガスを室外機側へ回収して撤去。

こちらのお宅、隠蔽配管をキチキチで繋いでいるので、毎回配管を溶接延長しなければなりません。
隠蔽配管で施工する場合は、将来も流用されることを考慮して配管を長めにしておくのが、お客様にとっても有効です。
長さピッタリに繋いでしまうと、後のメンテナンスも大変ですしね。
修理の経験のない人がやりがちです。

こんな感じでループさせておけば、次回取替えの際にお客様の負担が減ります。

室内機も撤去しました。

納戸の方は、配管も壁内でカットしました。

さて、取替える方の室内機側には専用コンセントがありませんでしたから、納戸の専用コンセントを使います。
室外機側に電源はありますが、そこから室内機までは露出配管となって見た目が悪くなるので、せっかくここにある物を使わない手はありません。

点検口があるので、ここから天井裏へアクセスします。

納戸からベランダ側の方へケーブルを延長していきます。

壁面にコンセントを取付けたかったんですけど、鉄骨造で壁から天井裏へケーブルが通らないため、天井へ取付けることにします。

専用コンセントを取付けて完了。

納戸の配管穴とコンセント開口は、カバープレートで塞ぎました。

やっとエアコンが取付けられます。
位置決めをして背面板を設置。
新しいフレアナットを取付けて、配管には結露予防のためのシート(包帯)を巻いておきます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管穴はパテ埋めをして気密性を確保。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。

作業が終わると試運転を行い、異常がないことを確認してお引渡しです。
取外した室内機は内部がカビだらけでした...
これで今年の夏は快適にお過ごしいただけますね(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。

2025年5月12日月曜日

量販店に断られたエアコン取付工事と電気容量増設工事

Blogをご覧になった初めてのお客様から、エアコン取付工事と電気工事をご依頼いただきました。

「高齢の両親の家が古く、エアコン設置をあきらめていました。昨年の夏は暑く父は熱中症で倒れてしまいました。何とか助かりました。今年はエアコン設置をしたいと強く考えています。ただ、量販店では断られ絶望していたところ、プログを拝見させていただき、連絡しました。」と、現在は他で暮らされている娘さんからご相談いただき、現地調査にお伺いしてきました。

建物は古民家な雰囲気で、かなり年季が入っています。
これまでエアコンは無く、夏は扇風機、冬はヒーターを使われていました。
ご両親の寝室にエアコンを取付けてほしいとの事です。

エアコンには専用コンセントが必要ですから、分電盤から専用ケーブルで引いて来なければなりません。
分電盤は...

おお。確かに、この状態ではどこの量販店に頼んでも断られますね...
ブレーカー2個と、左にあるのはヒューズボックスです。
何十年かぶりに見ました。
漏電遮断器が無いので、とても危険です。
たまにブレーカーが落ちるとの事ですから、とりあえずブレーカーとしては動作している様です。

電力メーターを確認すると、単相2線式です...
2本線なので100Vしか取れない上に、最大3,000Wまでしか使用できません。
これは四国電力へ申請して3本線に張り替えて容量を上げないと、エアコンを取付けても安全にお使いいただくことはできませんね。

電柱からの引込点を確認すると、分岐して隣の倉庫へ行っています???
お客様に確認すると、隣の倉庫は別の方の建物だそうで...
これはちょっとややこしくなりそうです。

とりあえず見積もりと電力申請のために、建物の電気設備の状態を確認していきます。
お父様が元気な頃に電気の線をいろんなところに延長された様で、屋外の軒下やらいろんなところでタコ足状態になっています...

キッチンは高容量の電気製品が多いので、タコ足にしていると熱を持って火災になる確率が高まります。

各部屋のコンセントも少ないため、照明のところからも分けて使っている状態です。

一番危険なのは、こういうヒーター系です。
冬は寒い様で、たくさんのヒーターが置かれていました。

これもタコ足状態で、よく今まで何もなかったですねと思います。

という事で、エアコン工事より電気工事の方がメインになりそうですが、「急がないので、阿部さんのできる時にやってもらえたら」ということでお引き受けしました。

まずは四国電力へ容量増の申請を行うため、図面の作成から取り掛かります。
建物が古くて建築図面すらないため、すべて最初から描かなければなりません。

電力申請を行って、受理されれば工事に掛かります。
今回、エアコン専用コンセントだけでなく、各部屋にコンセントを4個所増設します。
ブレーカーのところから、各部屋へケーブルを通していきます。

古い農家の建物で天井上は農具倉庫になっているそうで、天井裏隠蔽はできないのですべて露出配線で引いていきます。
「こういう建物なんで、見た目は気にしませんから。安全に使えるようにしてもろたら十分です。」とのことで。

コンセントが欲しい場所をお聞きしながら、各部屋へ新しいコンセントを取付けていきます。

洗濯機などの水周りにも一つ。

エアコン専用コンセントも増設できました。

では本題のエアコン取付けに掛かります。
位置決めをして、背面板を設置。

HEPAフィルター付きの掃除機で吸引しながら、配管穴を開けていきます。

土壁なのでこれ以上崩れない様にするためと、配管保護のために貫通スリーブとキャップを取付けておきます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

縁側があるので、一部室内を通ります。

ガラスを一枚外して板を取付け、配管穴を開けて通しました。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りはこんな感じで完成。

とりあえず仮に運転して、異常がないことを確認しておきます。

さて、電気工事に戻ります。
これを分電盤に取替えます。

既存のブレーカー類を撤去。

分電盤を取付けて、ケーブル類を接続していきます。

四国電力から電力メーターを送ってもらって、単相3線式に変えていきます。
幹線ケーブルは、VVF2.6mmx2cからCV-T8sqへ張り替えます。

電柱から引込点までは四国電力持ちなので、とりあえず仮設で接続しておきます。

分電盤に各ブレーカーの行き先表示を入れて完了です。
主幹ブレーカーは50A。分岐回路は12回路。
将来、他の部屋にもエアコンが増設できる様にしておきました。

あと、蛍光灯を全部LEDにしたいとのご希望で、、、

5台、LED化させていただきました。

古い袋打ちコードはすべて撤去です。
以前、お客様が触って感電したそうです...

目についた危なそうな延長コードはすべて撤去しました。

ブレーカーの脇に付いていたヒューズボックスを開けて見ると...
ヒューズでなく、芯線が使われていました。
恐ろしいですね。外して良かったです。

宅内の電気工事が完了すると四国電力へ竣工届を送ります。
受理されると引込班が来て、電柱から建物までの引込ケーブルを張り替えてくれます。
隣の倉庫に分岐されていた引込線は、新たに電柱からその倉庫へ直接引き替えてくれました。
いろいろと大変だった様ですが、電力さんが全部対応してくれました。

これですべての工事が完了して、晴れてエアコンが使える様になりました。
「阿部さん、引き受けてもらってホントにありがとうございました。これで今年の夏は熱中症にならずに済みそうです。また何かあったら助けてくださいね。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。