2023年10月4日水曜日

動物病院で3日間掛けて4台のエアコン取替工事

7月に3台のエアコン工事をさせていただいた動物病院で、二期工事として4台のエアコン取替工事にお伺いしてきました。

三菱電機 MLZ-GX3622AS ×1台・MSZ-BXV4023S-W ×1台・MSZ-BXV2823S-W ×2台を、お買い上げいただきました。

着工は先月9月。まず最初に取り掛かったのは、この大量にある室外機の中から、故障して使われていない室外機を選定して撤去するところから。

この内、4台の室外機が不要なため、機器内部に残っているフロンガスを回収して取外します。

こんな感じでキレイサッパリ!
二段置台の上のものはまだ使っているので、取替えの際に撤去します。
ここまでが先月の作業。

今月10月、2日から5日までの4日間、院長先生が出張の間に取替えをしておいてほしいとの事でご依頼いただきました。

まずは犬舎のエアコン取替えからスタート。
既存機はパナソニックで2011年製。
まだ動いていますが、古くなったので自動掃除機能付きに取替えます。

配管は一度貫通して、檻の中を通って屋外へ。

室外機はこんな感じでした。

既存機を撤去します。

スリーブが入っていないので、気密性確保と小動物侵入防止のため、貫通スリーブを挿入しておきます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

室内配管カバーも汚れていたので、新しいものに取替えました。

外部配管も、ホワイト色の新しいスリムダクトに取替えています。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。
下にブロックが埋まっていますが、固着していて水平が取れないので、あえてブロックへ乗せていません。

試運転を行い、異常がないことを確認して1台目完了。

2台目は美容室。ワンちゃんの美容室ですよ。
既存機は富士通ゼネラル、1995年製。
まだ動いています。この頃のゼネラル製品って、結構長寿です。

この室外機が、あの二段置台に乗っていたやつです。

さすがに28年も経過すると化粧テープはおろか、断熱材まで紫外線と酸性雨で剥がれ落ちて、銅管が裸になっていました。

既存機を撤去。
実は室内機の位置が低いので、穴を開け直して上の方へ新しい室内機を取付けるつもりだったんですけど、クロスを貼り替えた際に室内機を外さなかった様で、この有様です...
さすがにこれが丸見えになるのは美観上ありえないので、元の位置へ取付ける事にします。

貫通スリーブを挿入しておきます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

外部配管は、新しいスリムダクトで化粧仕上げ。

二段置台は撤去して、室外機は地上置きに。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。
スッキリしましたね。

試運転を行い、異常がないことを確認して2台目完了。
ここまでで一日目が終了。
まだ明るいですけど、夕方5時までしか作業ができないのです。

そして二日目。
3台目は1方向吹出しの天井カセット形。
三菱電機製ですが、何年式か不明。
建物の図面が平成3年なので、30年超えてる模様です。
これは動いていません。
なぜかと言うと、室内機2台・室外機1台のマルチエアコンだったそうで、もう一台の室内機を以前取替えた際に、この室内機が残ったそうです。

元々の室外機はどこにあったんでしょう?
建物外の配管をずべて追っていくと、室外機がないダクトを発見。

この配管で間違いない様です。

配管は途中で切り飛ばされていました。

室外機側に接続されていた電源ケーブルは、ダクト内で接続延長されて、他の部屋の電源として使われていました。
配管類は既存のものを流用できますが、電源は室内側でなんとかしなければなりませんね。

まずは既存の室内機を撤去。
外すときに思ったより重くてビックリしました...

新しい室内機は開口寸法が広がります。

天井開口して、新たにC形チャンネルと寸切りボルトで室内機を吊る準備を行います。
配管接続口も反対側になるので、これも天井裏で経路変更。

さて、電源がないのでどうするか。
建物がツーバイ方式で、距離のある分電盤から引いてくるのは至難の業。
なので、7月に新しいエアコンを設置した診察室に元々付いていて、今は使われていない天カセ室内機から電源を取ることにします。

基板のところまで200Vの電圧が掛かっているので、流用可能。

基板類を撤去して、その開口部を利用してケーブルを通していきます。

先ほども書きましたがこの建物はツーバイ方式なので、天井裏に仕切板があって簡単にはケーブルが通りません。
向こうの方に見える既存のケーブルが通っている穴を狙って、ケーブルを通していきます。

悪戦苦闘しながらも、なんとか室内機のところまでケーブルが通りました。

ここからはいつも通りに、室内機を吊り込んで配管類を接続していきます。

パネルを取付けて、室内側完了。

室外機を置く場所は、足元に灯油タンクやらガスボンベやら雨水マスやら、まったく置けるスペースがないので、壁面置台を使って壁面へ置くことにします。

足元がこんな感じで、脚立は揺れるしバランスは取りにくいしで、35kgの室外機を架台に乗せるのにかなり苦労しました...
こういう時はもう一人居たらなぁって思います。
はぃ。ここまでで時間切れです。
二日目終了。

三日目の朝イチは、昨日乗せた室外機のところで真空引き作業から。
電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。
背の高いガス屋さんが来ても、頭を打つことはない高さに設置しました。

試運転を行い、異常がないことを確認して3台目完了です。

4台目は事務室。
これも1方向吹出しの天井カセット形ですが、この天井裏にはピッチの狭い梁があるため、幅の広い新しい室内機をここに収めることができません。
なので、ここには壁掛形のルームエアコンを新たに設置します。

そうです。壁に穴開け作業が必要です。
この前Blogに書きましたが、石綿障害予防規則等の改正・施行がされました。
建物が30年以上前に建てられていますから、建材に石綿が含まれている可能性があります。(今回はみなし作業)
穴開けの際にそれが飛散しない様に施工しなければなりません。
しっかりと養生しますが、この養生作業が異様に時間が掛かります...

穴開けの際は、HEPAフィルター搭載のバキューム集塵機を使って、粉塵を吸いながら開ける様になります。

集塵ホースの先にはアダプタを取付けて、粉塵が飛散しないように吸いながら慎重に開けていきます。
どうです?穴開けの準備から穴が開くまで、一時間以上掛かりました。
2006年9月以前に建てられた建物では、今後この様な作業が必要になりますのでご了承いただければと...

配管穴には、貫通スリーブを挿入しておきます。

エアコンの専用コンセントは、既存の室内機のケーブルを取外して、新しいエアコンの電源として流用します。

こんな感じでコンセントが付きました。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

外部配管は、ホワイト色のスリムダクトで化粧仕上げ。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。
ドレンは、雨樋管へ接続しています。

あとは試運転を行い、異常がない事を確認して、すべての工事が完了です。
いやぁ、今回は4日間の工期をいただいていましたが、一人で挑んだので工期内に完工できるか不安でしたが、なんとか順調に作業が進んだのと、お天気が良かったのが幸いして、三日間で仕上げる事ができました。

院長先生は出張されていてお会いできませんでしたが、これで快適に診療ができる様になりましたね(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。

2023年10月1日日曜日

【重要なお知らせ】石綿障害予防規則等の改正・施行による工事の事前調査について

いつもの事で申し訳ございません。
バタバタしていまして、お知らせが規則施行当日になってしまいました。

本日2023年10月1日に、石綿障害予防規則により、建物に使用されている建材に石綿(アスベスト・いしわた・せきめん)が含まれているかどうか、着工前までに事前調査を行いなさいという規則が施行されました。
これ、ビルとか工場とか大きな建物だけではなくて、一般住宅まですべての建物が含まれます。
詳細を書きたいと思っていましたが、日々が繁忙過ぎてBlogに書けずすみません。
詳細は厚生労働省・環境省・国土交通省のパンフレットをご覧ください↓
(画像をクリックで大きく表示されます)

時間がないので、アベ冷熱技研として関わってくるところを簡単に書きますと、エアコン工事や電気工事、アンテナ工事などの設備工事の際に、建物の外壁や内壁に穴を開けたりしますよね、それが該当します。
あと、電気工事の際に、点検口から天井裏や床下へ入って作業しますけど、あれも該当になります。
いわゆる、作業者やお客様が、作業中に建材内に含まれているアスベストを暴露させて吸い込まない様に、「建築物石綿含有建材調査者」が事前調査を行って、アスベストが含まれている(もしくは含まれているかどうかわからないが、含まれているであろうとみなす)場合には、「石綿作業主任者」を置いてアスベストを飛散させない対策を施した工事を行いなさいというものです。

「アスベストなんて、うちの家には使われていないよ。」というお客様がほとんどだと思います。
実は、アスベストは2006年8月までは、建材に含まれている形で使われていたんですよ。
なんと阿部の自宅は2004年に建てたので、建材に石綿が含まれている可能性があります...
アスベストの使用禁止がされたのは、2006年9月1日着工物件からです。
安心してください、穴開けや建材を傷つけない限り、アスベストが暴露することはありません。

という訳で、建物への壁面穴開け、壁開口などの作業が伴う工事には、必ず事前調査が必要です。
業者に対しては、調査した資料は3年間の保存義務が課せられます。(違反すれば罰則)

この夏忙しかったんですけど、どうしてもこの10月から必要なので、「建築物石綿含有建材調査者」「石綿作業主任者」の資格取得の講習会へ、先月、先々月と参加していました。
Blogに書いてる時間がなくて、阿部の個人SNSにばかり投稿していました。
この講習会、まったく予約が取れなくて大変だったんです。
それほど我々の業界ではパニック状態です...

はっきり言って、阿部は既にアスベストを大量に吸い込んでいますから、今さら対策しても阿部自身はどうにもならないんですよね。どうせ数十年後には中皮腫を発症します...
まぁそんな愚痴をいっぱいSNSには書いてたんですけど、作業主任者の講習を受けて少し考え方が変わりました。
その辺のところを書き始めると長くなるので止めておきますね。

という訳で、事前調査には時間と手間が掛かります。
アスベスト対策工事を行う場合も、他へ暴露させない事前準備と対応作業が必要です。
今までの作業より時間とコストが掛かりますので、無償での対応はできません。
規則でも、発注を行うお客様が調査及び作業に掛かる費用の負担を求めていますので、何卒ご了承ください。(※費用につきましては、現在検討中です。)

ちなみに、2006年9月1日以降に着工された建物の場合は、アスベストが含まれていないため、現地での事前調査や対策工事は必要ありません。
ただし、それを証明するための書面調査が必要です。
ご依頼いただく前に、お住いの建物の着工日を確認できる書類(設計図書・建築確認書類など)をご用意ください。

ホントいろいろと思うところいっぱいあるんですけど、こんな大切な規則が日本国民全員に周知されることなく、インボイス制度に隠れる様に本日から施行されましたので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。