2024年8月22日木曜日

この夏を乗り切るために既存設備を活かしてエアコン3台取付工事

13年前にエアコン分解洗浄をさせていただいたお客様から、エアコン工事と電気工事、LED照明器具の取替えなど諸々ご依頼いただき、この3日間掛けて工事にお伺いしてきました。

三菱電機 MSZ-GV2224-W 霧ケ峰スタンダードタイプ×3台、パナソニックLED照明×5台をお買い上げいただきました。

今月始めにお電話いただいて、現地踏査にお伺いしていました。
2011年に分解洗浄をさせていただいたエアコンが水漏れしていて、そろそろ取替えようとご相談いただきました。
このエアコン、実は足元のコンセントから延長コードで電源を取っています。
洗浄させていただいた当時に、「これ危ないですよ」とご提案はさせていただいていたんですけど...
「掃除機掛けるとブレーカーが落ちるんです」と。当然ですね...

今回検討されていたのはこのエアコンだけではなく、他の部屋にはエアコンが1台もないので、この際に合計6台エアコンを付けたいとのご希望でした。

ちょっと待ってください、6台もエアコンが取付できるかは電気容量次第です。
分電盤を見せてください。
いやぁ...年季が入ってますね。

主幹ブレーカー...30Aかぁ...
まぁ、単相3線式というのが救いではあります。

分岐ブレーカーを調べていくと、2つの専用回路を見つけました。
これは後から増設されている様です。

ひとつは、先程の古いエアコンがあった部屋の収納の後ろに隠れていました。
お聞きすると、昔ご主人が使われていた機器の専用回路との事で、現在は使われていませんでした。
という事は、このコンセントをそのままエアコンの脇まで移動すればエアコン専用コンセントとして流用できますね。
まずは1箇所解決。

もう一回路はどこへ行ってるのか探してみると、応接室のところにありました。
以前エアコンが付いていた様で、配管穴もあります。
2個所目解決じゃないですか。

とりあえずこれで2台は取付け可能ですよ。
主幹ブレーカーが30Aしかないので、あと1台くらいは大丈夫ですがどちらにします?
「2階に二部屋あるんですけど、どちらか一方にエアコンがつけられたら...」
2階には専用コンセントがありませんから、1階の分電盤から2階の部屋までケーブルを引いてくるしかありませんね。

そもそもご希望は6台ですが、一気にやるとなると電気容量を上げないと30Aでは使い物になりません。
電力申請して幹線ケーブル張替え~分電盤取替えなど諸々やるとなると夏が終わってしまうし、電気工事代だけでもかなりの出費になります。

とりあえず電気設備は現状維持で、どうしてもエアコンが必要な部屋3個所を決めていただいて、この夏を乗り切るために3台だけ取付ける方向でご提案して、ご依頼いただきました。

工事は9月になりそうでしたが、なんとか予定をやりくりしてこの3日間を確保しました。
ではまず、既存の分電盤内の整理から始めます。
太いグレー色のVVRケーブルが見えますが、これは現在使われていないのでカットします。

流用するブレーカーのみ残して、他は全撤去。

とりあえずこんな感じでまとめました。
停電を早く復帰させないといけないのと、電気容量を上げるまでの仮接続ということで、配線の見た目が悪いのはご容赦ください。

分電盤が終わると、2階へケーブルを通していく作業に掛かります。
お客様は「見た目なんか気にしないんで、露出配線でいいですよ。」と言われていましたが、阿部の性格上、隠せれるものは隠したいという事で。
2階の屋根裏から、1階へアクセスできないか探っていきます。

土壁だから無理だろうなぁと半心思ってたんですけど、土壁じゃなくボード壁だったので、これは行ける!

1階は点検口がないので、分電盤の近くの天井ボードを外して点検口代わりに。

2階からスルスルと呼び線を落として、1階天井の隙間から手繰り寄せます。

呼び線が通ればケーブルを通していくだけです。

2階まで立ち上がってきました。

2階の屋根裏は高さもあって広いので、スルスルと目当ての部屋まで。

通りました。

コンセントを取付けておきます。
先ほどの通線の写真でケーブルが2本写っていましたが、実は2階の隣の部屋のケーブルも通しておきました。
今回通す必要はなかったんですけど、また次回同じ作業をすることを考えると、今回通しておく方が絶対にいいと思って急遽2系統立ち上げておきました。

ではエアコン工事に掛かります。
まずは1階の取替えから。

室外機周りはこんな感じでした。
窓枠を使わず配管穴を開けることもできますが、電気容量を上げた際に容量の大きなエアコンに取替えるかも知れないという事で、とりあえず現状と同じ工法で進めていきます。

既存機を撤去して、足元にあった専用コンセントを室内機脇まで移動します。

位置決めをして、背面板を設置。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

まぁ南側で隠れるところがないので、溶けてなくなりそうです...

室外機周りは、こんな感じで完成。
足元のブロックも既存流用です。

作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認して1台目完了。

2階の部屋に掛かります。
位置決めをして、背面板を設置。

石綿飛散防止対策を行って、配管穴を開けていきます。

配管穴には気密性確保と小動物侵入防止のため、貫通スリーブを挿入します。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。
もうずっと南側で直射日光を浴びているので、意識朦朧としています...

作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認して2台目完了。

3台目は1階応接室。

コンセントを現在の規格のものに交換。

既存配管穴はかなり急勾配に開けられているので、貫通スリーブを加工して挿入。

位置決めをして、背面板を設置。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

通路が狭くなるので、室外機は裏の南側へ。

また南側... 配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。

作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認してお引渡しです。

さて、エアコン以外にもいろいろとご依頼いただきました。
防雨コンセントの増設。

屋外で延長コードを使用されていたので、水槽の近くにコンセントを増設。

古い玄関照明を...

防雨防湿形のLED照明へ取替え。

宅内の照明も...

LEDに取替えて、パッと明るく。
合計5台の照明をLED化しました。

スイッチも年季が入っているので、不具合が出ています。

プッシュ式コスモシリーズのスイッチに取替えました。

コンセントも数か所、熱を持って溶けています。

これで安心してご使用しただけます。

とりあえずエアコン3台あるので、この夏は乗り切れると思います。
来年の春頃に電気容量の増設を行って、来年の夏を迎える前にまた3台エアコンの取付けという流れになりました。

「一番暑いときにすみませんでした。もっと早くお願いすれば良かったですね。来年は早め早めに連絡しますので、またお願いしますね。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。

2024年8月19日月曜日

ダイキンうるさらからムーブアイ搭載三菱霧ケ峰へエアコン取替工事

お世話になっているFB友さんのご依頼で、エアコン取替工事にお伺いしてきました。

三菱電機 MSZ-AXV3624-W ムーブアイ搭載霧ケ峰をお買い上げいただきました。

既存機はダイキン製うるるとさらら。
2009年製で15年お使いです。
動作はしますが、ガス漏れの様で効きません。

お部屋は2階ですが、室外機は裏の方に置かれている様です。

裏の方を見ようと思ったら窓用エアコンが...

「ついでにこれも撤去してください。」との事で作業に掛かりましたが、何か異様に重い...
銘板を見ると...え?48kgもあるんですかこれ?
一人で担いで降りようかと階段のところまで行ったんですけど、他のお宅に比べてちょっと階段が...
と言う訳で、お客様と一緒に担いで降ろすという...

窓用エアコンを外したら、先ほどの部屋の室外機が見えました。

配管を外して降ろそうかと思ったんですけど、実は今朝からずっと雨で、北側の屋根瓦に付いたコケのせいで、最高に滑ります...
さすがに43kgの室外機抱えて滑ったら、室外機もろとも地上に叩きつけられるので、とりあえず室外機のみ放置。

既存室内機と配管の撤去が完了。

気密性確保と小動物侵入防止のため、配管穴には貫通スリーブを挿入しておきます。

新しい室外機は裏の方へ置くのではなく、この位置へ設置します。

壁面置台を設置して、ここに室外機を置きます。

では新しいエアコンを取付けていきます。
位置決めをして、背面板を設置。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。
既存配管化粧カバーは、既存のものを流用しています。
午後から雨は止む予報でしたが、一層強く、ずっ~と降っていました...
軒先が出ているので、なんとかやれましたけど。

作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認してお引渡しです。

少し時間があるので、既存の室外機を撤去しました。
ずるずる滑る瓦を、スポンジでコケを取って滑らない様に洗って外しました。
向こうに見える青い瓦は何やっても滑るんですけど、こちらのグレーの瓦は表面をキレイにしてやると、水が乗っていても滑らないんです。
まぁ、気持ちのいいもんじゃありませんけど。

「え?室外機、一人で降ろしたんですか?わぁ、スッキリしましたね。部屋も快適になって、ありがとうございました。」と、大変お喜びいただき、お土産までいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。

2024年8月17日土曜日

専用コンセントがないためエアコン取付を断られたお宅でエアコン取付と電気工事

初めてのお客様のご依頼で、エアコン取付工事と電気工事にお伺いしてきました。

今月始め頃に、「エアコン工事に来た業者さんが、専用コンセントがないから工事ができないと言われて帰ってしまったんですけど、そちらで電気工事とエアコンの取替えをお願いできませんか?」とお問い合わせいただきまして、合間を縫って現地調査にお伺いしていました。

既存機はサンヨー製。
足元のコンセントから電源を取っているため、この状態では基本ダメです。
何十年もこの状態で使ってきたので大丈夫と言われるお客様もいらっしゃいますが、事故が起こると責任を取らされるのは施工業者側ですから。
でも、電源が専用じゃないから取付けできないと帰ってしまう様な業者さんは考えものです。
電気工事士の資格を持っていないんでしょうね。
帰っていただいて良かったのかも知れません。

さて、専用コンセントを増設しなければなりませんが、分電盤の容量はどうでしょう?
いやぁ...なかなかの年代物ですね... これちゃんと動作するんでしょうか。

右側に見えるのは漏電遮断器です。
主幹ブレーカーかなと思いましたが、このブレーカーは浴室やキッチンなどの水周りと屋外コンセントのブレーカーでした。
という事は、主幹ブレーカーがありません。
主幹ブレーカーがないと電気の使い過ぎによる容量オーバー時に、電柱側が切れる可能性があります。
そうなると、電力会社が復旧してくれるまで停電状態になってしまいます。
よく今まで持ったなぁと思いますね。

左側に増設された分岐ブレーカーがあります。
ケーブルが2つに分かれていますが、調べてみるとナント!エアコンとキッチンのコンセントに繋がっていました...
「エアコン使いながら炊飯器入れたらブレーカーが落ちるんです」...まぁそうでしょう...

なんかいろいろ大変そうですが、とりあえず単相2線式ではないのが救いです。
黒白赤の3本線が確認できたので、単相3線式です。
これなら幹線ケーブルそのままで、大掛かりな容量UPの工事までは必要ありません。

将来的に大きな電気製品が増える様なら容量UPもお奨めしますが、この建物は借家のため、できるだけお客様の負担を抑えて、且つ安全な電気設備にしなければなりません。
今回、分電盤の部分は借家の大家さんが費用を負担していただけるという事でお話がまとまりました。

工事のご依頼をいただきましたが、予定がパンパンな上に、お客様が土曜日ご希望とのことで、まずは先週の土曜日午前中にエアコン取替えにお伺いしていました。

取替えるエアコンは2階で、室外機は緩勾配の屋根置きです。

既存機を撤去しました。

気密性確保と小動物侵入防止のため、貫通スリーブを挿入しておきます。

位置決めをして背面板を設置。
土壁なので、スライド金具を使用しています。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。

専用コンセントがないので、試運転はお預けです。

そして一週間後の本日、電気工事にお伺いです。

分電盤と両脇のブレーカーを撤去。
もちろん宅内全停電状態です。

ケーブルを整理して、新しい分電盤へ接続していきます。
キッチンのコンセントと一緒になっていたエアコン回路も分けました。

分電盤の取替えが完了すると、2階のエアコン専用コンセント増設に掛かります。
土壁なので隠蔽配線はできません。

2階まで延々と露出配線です...

先週取付けたエアコンのところまでケーブルを引いて、コンセントを設置。

電源を投入して、試運転。
異常がないことを確認して、増設完了。

で、2階の隣の部屋のエアコンも、足元のコンセントから電源を取っていたので、こちらも増設。

これで安心してお使いいただける様になりました。

「暑い中、ありがとうございました。これで安心して使えます。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は登録電気工事業者で、第一種電気工事士が責任を持って電気工事を行います。
この様な電気工事やエアコン工事も、お気軽にご相談ください。