2023年8月13日日曜日

配管リプレース(一部入替え)で5馬力同時ツインパッケージエアコン×2組取替工事

いつもお世話になっている企業様のご依頼で、事務所に設置されている業務用パッケージエアコンの取替工事にお伺いしてきました。

三菱電機 PLZX-ZRMP140HF3 5馬力同時ツインパッケージエアコン×2組を、お買い上げいただきました。

既存機は日立で、2001年製。22年目です。
2016年に一度、取替えのご提案をさせていただきましたが、まだ使えているということで、途中修理を経過しながら使われていました。

室外機2台、室内機4台の、同時ツインタイプのエアコンです。
長方形の事務所レイアウトで、4台の室内機が交互に設置されています。

既存機はインバーターではなく、一定速タイプです。
ドカン!と起動して、ビィ~~~ンというけたたましい音を立てながら運転していました。
この夏、どうも効きが悪い気がするということで、秋頃に取替えをしようかとお話していましたが、よくよく考えると事務所なので連休でないと難しいという事もあり、じゃぁ盆休みの前半にやりますかと、阿部の提案で急遽決まりました。

さて、単純な入替えなら簡単にいけそうですが、既存機が日立なのがネックです。

日立は室外機と室内機の連絡線が、電源用と伝送用と別れていて共に2芯。
伝送用の方は、VCTF0.75sqx2cです。
入替えが必要かと思いましたが、ここはオプションの電源リプレースキットで対応可能です。

他に問題があります。
室外機に接続されている配管サイズが、3分6分。
現在販売されている同クラスの配管サイズは、3分5分。
まぁこれは想定内です。

問題はこちらです。
ツインなので天井裏に分岐管がありまして、二手に分かれて各室内機へと繋がっています。
この配管が、2分5分...
2分(6.35φ)は、この頃のメーカーでは日立だけじゃなかったですかね?


三菱電機のパッケージエアコンは既存配管でも流用できますが、配管サイズに制約があります。


室外機側の6分(19.05φ)はOK。室内機側の2分(6.35φ)がOUT。
2分を3分(9.52φ)に入替えないといけません。

できるのか?いや難しいかも。
という事で、何度か現地調査にお伺いしていました。
埋込照明器具を外すと、点検口代わりになります。

ちょうど目の前に分岐管がありました。

う~ん...この狭いスペースで溶接かぁ...
しかも配管はH鋼を貫通しています。あの隙間に3分の配管が通るかなぁ...
でもまぁ悩んでいるより、やってみろということで。

工事は8月11日の祝日からスタートですが、仕入先もお休みになるので、前日の夕方にエアコン機器は搬入しておきました。

ではいよいよスタートです。
台風がそれて行ってくれたので、天気予報は三日間雨の予報はありません。
まずはポンプダウン運転を行って、配管内のフロンガスを室外機側へ回収して撤去。

作業をしている間に、脇の方でフロンガスを回収します。
業務用のパッケージエアコンはフロン排出抑制法の適用ですから、機器内部にあるフロンガスを回収しなければなりません。

あ、そうそう。さすがにこの規模の工事を一人ではできないので、またSくんに応援を頼みました。
二人で室内機を撤去していきます。
事務所ですから足元には机や椅子、パソコンなどもあるので、いつもの電動アッパーは使えません。すべて人力。

室内機の開口部を利用して、3分の配管を新たに各室内機のところまで通していきます。

なんとか、分岐管~室内機まで4系統の配管が通りました。

さぁ、狭い天井裏で分岐管を溶接ですが、一枚天井材を剥いでなんとか溶接。

しっかりと断熱をしておきます。
結構時間が掛かって、ここまでで一日目が終了...

二日目は、Sくんが室内機周りをどんどん進めてくれて、配管加工と吊りボルトアンカー打ちを。

二人で4台の室内機を吊り込んだあと、「阿部さんは室外機の方やってください」と心強い言葉をもらったので、外周りへ。

いやぁ、外は絶賛灼熱地獄です...
10分おきに水分補給しないと、ぶっ倒れそうな日差しです。

外で溶接作業をしていると、Sくんが出てきてシートで日陰を作ってくれました。
もうホント、優秀なバディです。

夕方になってやっと1台目の室外機に配管を接続。

今回の作業で溶接した箇所は15箇所あるので、気密試験は必須。
窒素ガスを配管内に規定圧まで充填して、漏れがないかテストします。

あれ?...漏れてます...しかも盛大に...

音で漏れ箇所が分かるほど漏れてるので、場所特定には時間は掛りませんでした。
やっぱりここか...
狭いんです。配管の向こう側は見えないし、溶接機の火口も向こう側には当てにくいんです...
まぁ言い訳しても仕方ないんで、必死で体を入れて溶接し直しました。

あ、ちなみに漏れたのは環境負荷のない窒素ガスです。フロンは漏らしてはいけませんから。

ここで二日目終了。
二日で終わらせたかったんですが、阿部の注意不足で時間ロスです。

三日目の本日は一人ぼっちです。
昨日、室内側はすべてSくんが仕上げてくれたので、室外機周りさえできれば終わりますから。

昨日、圧を掛けたまま帰ったので、圧が下がっていないかチェック。
少し下がっている様に見えますが、昨日の夕方は34℃ほど、今朝は26℃ほどで気温差があるため圧が少し下がっているのでOK。

真空引きを開始します。
もう1台の室外機も接続して、気密試験開始。

2台目は漏れもなく、真空引き開始。

室外機上部に転倒防止金具を取付けて、室外機周りが完成。
アスファルトがボコボコだったので、水平取るのに苦労しました。

あとは電源投入して、試運転開始。

冷たい風が出て、異常がない事を確認して工事完了です。

人感ムーブアイ搭載スリムZRシリーズですから、既存機に比べると大幅な省エネ効果が期待できますね。

あと、オプションで、スマホで操作できるBluetoothキットも取付けましたので、広い事務所でいちいちリモコンのところまで足を運ばなくても操作ができる様になりました。

「新しいエアコンは音が静かですね。暑い中ありがとうございました。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
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