昨年10月から取り掛かっていた改修工事が、やっと、やっと完了しました!
FB友さんから、「ちょっと物を預けておけるプチ倉庫とシェアハウスをやりたいんで相談に乗ってください」とご依頼をいただきました。
そもそもからいくと、昨年6月に最初にお声掛けいただいて、途中何度か暗礁に乗り上げながらも着工に漕ぎ着けれたのは昨年10月。
以前お話していた物件はなくなって、新たに案内されたのは三津浜の古い民家。
中庭のある雰囲気のいい建物ではありますが、かなり傷んでいます。
戦時中に建てられたみたいで、押入れの壁面には当時の新聞が貼り付けられていました。
レトロやアンティーク系が好きな人にはタマラナイ建物かも知れませんが、なんちゃって防災士の阿部としては...って感じです(^_^;)
既設のエアコンはこれ1台のみ。
各部屋にエアコンが欲しいとの事で、4台追加します。
当然、専用コンセントが各部屋に必要になりますね。
分電盤はオーナーさんが設置されていました。
そうです、この建物は賃貸なんです。
賃貸なので、あまり大掛かりなことはできないなぁと思ってたんですけど、「現状渡しなんで、好きなようにしてもらっていい」ということでした。
現状渡しという言葉は、時に厄介です(^_^;)
特に古い建物は。
この建物、一部碍子引き配線になっています。
レトロでお洒落だと思いますか?
古い碍子引きの線は、触るとポロポロと被覆が剥げて、大変危険です。
コンセント配線など、人が触れるところはVAケーブルで施工されていますが、このケーブルも芯線が細くて現代の電気使用環境には合いません。
接続部分は元々緩んでいたのか、永年して緩んだのか、とても危険な状態でした。
照明も、ソケットで裸電球がいい感じなのかも知れませんけど、ちょっとこれは...
2階部分の配線は、もしかすると漏電していたのか、新たにケーブルで配線されていました。
しかしこれは見た目も悪いですね...
この施工された電気工事士さんは、ポリシーの欠片もない様です。
では、長い作業に掛かります。
まずは古いケーブル、配線器具類を撤去。
碍子はオブジェとして置いておこうかなと思いましたけど、余計なものは外して欲しいとお客様のご要望で外しましたが、後でオーナーさんにブツブツ言われたそうです(^_^;)
碍子は処分せず、オーナーさんにお渡しです。
さて、エアコン専用コンセント増設のため、床下、天井裏、いろんなところを剥いでケーブルを通していきます。
案外梁が太くて、思ったようにはケーブルが通りません。
すべて土壁なので、立ち上げは押入れを使って見えないように配線していきます。
途中、こんな状態のケーブルも見つかります。
ネズミにかじられて、芯線が見えていますね。
こういうところから電気火災は発生します。
分電盤のところまで通りました。
分電盤は空きがたくさんあるので大丈夫です。
今回、ほとんどの配線を天井裏と床下の隠蔽にしますが、どうしてもコンセントの立ち下げ部分は柱にステップルで留めなければなりませんから、お客様のご希望でブラウン色のケーブルを使用します。
配線器具はパナソニック製の利休色タイプで。
エアコン専用コンセントも。
スイッチ類も同じく。
浴室は換気扇がなかったため新設。
照明は裸電球そのままだったので、防水防湿形の器具を新設。
照明器具などは、お客様支給品です。
ネットでいろいろと探された様ですが、日本製じゃないので取付けが大変です。
テレビアンテナは八木式がブースターと共に付いていましたが、ハッキリ言ってあそこまで上がれません(^_^;)
屋根瓦がすべて土葺きなのと、下地が腐食しているところがあるので、無理してあそこまで登るメリットはひとつもありません。
壁面で十分受信可能でしたので、ブースター内蔵形のフラットアンテナを設置させていただきました。
ブラック・ブラウン色なんで、外壁に合ってますね。
各居住部屋へ3分配して、受信レベルを測定。
異常がない事を確認して、アンテナ取付け完了。
簡単に書いてきましたが、昨年の10月から3月まで合間合間で現場入りして掛かっていますので...
最後にエアコン工事です。
この建物、両隣がびっちりひっついているため、正面玄関側か、中庭にしか室外機が置けません。
さすがに正面玄関はNGなので、かなり悩ましい状況でした。
まずは8箇所、土壁に配管穴を開けていきます。
はぃ。4台しかないのに、8箇所も穴開けが必要です。
古い土壁なので無理するとゴッソリと掛けてしまうところですが、今回漆喰を塗られたので、その分表面の強度が上がってキレイに穴開けを行う事ができます。
穴を開けたところには、貫通スリーブとキャップを取付けておきます。
あちこちと穴開けまくりです。
8箇所、穴開けだけで半日掛かりました。
取付けに掛かります。
土壁は狙ったところにビスが効きませんから、スライド金具を使って背面板を設置。
室内機を掛けて、配管類を接続していきます。
人目に付かないところは、配管はテープ巻き仕上げで。
人目に付くところは、ブラック色のスリムダクトで化粧仕上げ。
1階部分は室外機の置き場所が中庭しかありませんから...
延々と...
延々と、微妙にドレン勾配を付けて配管を横引き。
中庭側は人目に付くので、ブラック色のスリムダクトで。
中庭に室外機を置いてほしくないという事で、通路の脇へ無理矢理設置。
二段置台の足元は平坦ではないため、コンクリートブロックが使えず、同じ現場で作業している木工屋さんが作ってくれたベースに乗せています。
木枠だけでは心もとないので、Lアングルを使ってしっかりと固定しておきました。
蹴ってもビクともしません。蹴りませんけど(^_^;)
あとは各部屋試運転を行い、異常がないことを確認してお引渡しです。
いやぁ、長い道のりでした。
途中、何度心が折れかけたか...
無事お引渡しができてホッとしております。
「大変な作業でお疲れさまでした。見えていた配線も全部スッキリしてもらって感動してます。これで安心して使えます。ありがとうございました。」と、大変お喜びいただきました(^^)
「おいとこ三津浜邸」さん。
4月OPENとか記載されてますが、まだしばらくお片付けが残っている様です(^_^;)
三津浜の古い町並みがお好きな方、県外からプチ移住体験してみたい方、優しい女性オーナーさんがお迎えしてくれるので、女性でもお奨めです。
いつOPENかは、FBをチェックされてください(^_^;)
アベ冷熱技研は登録電気工事業者で、第一種電気工事士が責任を持って電気工事を行います。
この様な電気工事やエアコン取付工事も、お気軽にご相談ください。