本日、残り1台だけ残っていた新築住宅のエアコン工事が完了しましたので、お引渡しさせていただきました。
エアコンは、新品2台お客様支給品と、お引越しの際に引越業者が取外したものの取付けです。
今回の案件は、入居されるお施主様からではなく、新築工事をされた建築屋さんからのご相談から始まりました。
以前、他の現場でエアコン工事をしている阿部を憶えていただいていた現場監督さんから、「エアコン工事を量販店に断られたんですけど、阿部さんお願いできませんか?」とご相談の電話をいただいて、現地調査にお伺いしていました。
問題が起こったのはリビングです。
各部屋に配管穴は開けていただいていました。
ところが、リビングだけ特殊なんです。
リビングの穴の裏には洗面所があって、壁の中に75φの塩ビ管が入っていて、エアコンの冷媒配管はその中を通す形になっています。
リビング側から覗くと結構距離がある様に見えますが、1.8mほどです。
以前にもこんな感じの記事をこのBlogに書きましたけど、あの時の現場監督さんです。
今までこの工法でやってきたのに、量販店の施工業者さんが現地調査に来た際に、「パイプの径が細い。」「壁の中のパイプに入れると、結露するので保証できない。」とか、いろいろと言いたいことだけ言って帰られたそうで、現場監督さんは頭を抱えていました。
メーカーに直接相談されたそうですが、メーカーは「75φあれば配管は通ります。配管が結露するしないで、エアコンの保証が無くなる訳がありません。」と回答を受けて、阿部にご連絡いただいたという流れです。
今回取付けるエアコンは、ダイキンのうるさら6.3kw。
75φでも通らないことはありませんが、まぁシビアな工事にはなると思います。
壁内で結露するかしないかという話になると、「結露しません」とは断言できませんね。
周辺の温度や湿度によって結露するかしないかが決まります。
それは、隠蔽配管でも同じ事が言えます。いや、そのまま壁内を通していく隠蔽配管の方が結露しやすいです。
いろいろとお話していく中で、そもそもこのパイプの中を通して欲しいというのは建築屋さん側の責任であって、エアコンを取付ける業者側の責任ではありませんから、保証云々の話が出るのもおかしな話です。
そこはしっかりと現場監督さんにお伝えして、もし結露して壁が濡れる様なことがあれば、建築側で対応してもらえるということで落ち着きました。
それで量販店がやるのかと思ったら意地でもやらない様で、まぁ「やりたくない」のが本音だったんでしょうね。
何か、エアコン本体の保証もしないとか言う話になっていたみたいですが、その後の話は聞いていません。
さて、今回3台のエアコンを取付けます。
室外機を置く場所はこんな場所...
狭いです... 置けないことはないし、フェンスなので風の通りが悪い訳でもありませんが、脚立が立たないので作業が...
なかなか楽にはいきそうもありませんね。
では作業に掛ります。
着工は先月の20日。引越し前に新品の2台だけ先に取付けておいてほしいとのご希望。
先ほども書きましたが、敷地内に脚立が立たないので、裏の誰も通らない通路にハシゴを建てての作業開始です。
先に、3台分の配管化粧カバーを取付けていきます。
写真では解りにくいですが、この通路はめちゃめちゃ坂道になっているため、ハシゴの脚の片方の地面を掘ってなんとか立っています。
では、断られたエアコンを取付けていきます。
ダイキンのうるさらが好きな方が多い様ですが、こんな極太な加湿ホースが余分にあります。
室内機と室外機をこのホースで繋いで、室外機側で加湿された空気をこのホースを使って室内へ送る仕組みですが、加湿されていますからどうなるか解りますよね?
カビだらけになるんですよ、この中。
ね。阿部がダイキンをお奨めしない理由の一つです。
75φの塩ビ管に、2分・4分の冷媒配管と断熱ドレンホース、VVFケーブル、そして先程の極太加湿ホースを挿入します。
キツキツっていう程でもありませんが、一人で通すにはかなり大変な作業でした。
配管が通ってしまえばコチラのもの。
いつも通りに室内機を掛けて、配管類を接続していきます。
側面から見るとこんな感じで、ドレンもきちんと勾配が取れています。
外部配管は、ブラック色のスリムダクトで化粧仕上げ。
そしてこのクソ...あ、いや、とても重たい室外機をこの狭いスペースに一人で入れれる訳などなく、現場監督さんに一緒に運んでもらいました。
前にも書いたと思いますが、製品が重たいのは製品開発能力がないからですよ。
車だってバイクだって、軽量化するためにメーカーたちが切磋琢磨してるんですから。
加湿機能とか余計なものを付けるから重くなるんですよね。
ホントこれ、別料金で運搬費いただきたいくらいです。
狭い場所で一人で文句言いながらも、作業は進みます。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。
作業が完了すると試運転を行い、異常がないことを確認して1台目完了。
大嫌いなダイキンですが、量販店に断られた案件が完了した達成感は大きいですね。
さて、日が暮れそうですが、2台目に取り掛かります。
室内機を掛けて、配管類を接続。
こちらも、ブラック色のスリムダクトで化粧仕上げ。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。
うるさらの室外機に比べると、かわいらしく見えますね。
室外機周りは、こんな感じで完成。
作業が完了すると試運転を行い、異常がないことを確認して2台目が完了。
夜の7時まで掛りましたが、日が高くなってまだ明るいですね。
これでお引越しの日には、涼しくお過ごしいただけます。
さて、引っ越しの翌日に引越業者が外してきたエアコンを取付けて完了の予定でしたが、引っ越し当日になって、「エアコンの中が汚れているので、この際にクリーニングされませんか」と提案されたそうで、いきなり工事が延期になってしまいました...
普通、下見とか見積もりにお伺いした際に提案すべき事案ですよね。
この忙しい時期に、嫌がらせにしか思えませんね。
お施主様は「すみません。すみません。」と謝っていただきましたが、なにも悪くはありません。
という訳で、当社も予定がパンパンなのと合わさって、ほぼ一ヶ月近くお待たせして3台目の取付けに、本日お伺いです。
位置決めをして、背面板を設置。
室内機を掛けて、配管類を接続していきます。
ハシゴを掛けて登ったところで雨がパラパラ...
雨降らないでと祈りながら作業を進めます。
引越業者あるあるですね。
きちんとキャップをしていないと、バルブ内に水分が入りエアコンの故障の原因になります。
テープでは完全に水の侵入を止めることはできない事くらいは知っていると思うのですが。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。
なんとか雨は持ってくれました。
室外機周り3台とも完了です。
作業が完了すると試運転を行い、異常がないことを確認してお引渡しです。
いやぁ、大変な作業でしたが、やり甲斐がありましたね。
お施主様には、「きれいに取付けてもらって、ありがとうございました。リビングは快適です。やりづらい所ですみませんでした。また取替えの時は阿部さんにお願いしますね。」と、大変お喜びいただきました(^^)
アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。