2020年10月24日土曜日

貫通スリーブ挿入のついでに取外してエアコン洗浄のハズが...

先月エアコンをご購入いただいたお客様のご依頼で、エアコン分解洗浄が完了したので再取付けにお伺いしてきました。

パナソニック CS-222CFR-W(2012年製) スタンダードタイプ×2台


当初のご依頼は、洗浄ではありませんでした。
以前、就寝時に部屋の中にムカデが入ってきたらしく、窓は全部閉まっているのにおかしいなぁとと言うことで、エアコンの配管穴のところが気になるとの事でご相談いただいていました。
このパナソニックのエアコン、サイドカバーが外れないので、配管穴の状況が簡単には確認できません。
室内機を少し浮かせて、下から覗くくらいしかできないのですが、数ミリの隙間から覗いてもなかなか難しいです。
取外して見るのが一番ですが、作業費用はいただく様になります。

そこでご提案させていただいたのが、8年経過している事もあり内部にかなりのカビが見えたので、どうせ取外すならついでに分解洗浄をお奨めさせていただきました。

今回のご依頼は2台です。
まずは取外しに掛かります。
2台共2階で、室外機は地上置き。


配管カバーを外すと、こんな事になっていました。
量販店の施工でよく見掛けますが、いい加減なテープ巻きで断熱材が収縮して下がっているため、銅管が裸になる断熱不良が起こっていました。
ちなみに、写真では配管穴にパテがありませんが、パテを取り除いた後に撮影したものです。

室内機を取外しました。
あれ???


スリーブが入っていますよ。
これ、配管穴を斜め下へ向けて開けているため、スリーブを斜めに差し込むと壁から飛び出るため、下部をカットしているんですね。
だから下からいくら覗いても、スリーブが入っていない様に見えるんです。

う~ん...ムカデはどこから入ってきたんですかね?

さて、室内機に接続されているケーブルを外そうとフタを開けると。

え?緑?なに?
このケーブル、宅内配線のアース付きコンセントに使うケーブルです。
どこかの現場の余りを使いまわしですかね。
通常は黒・白・赤です。
まぁ芯線サイズは2.0mmなので電気的に問題はありませんけど、ポリシーとクオリティの問題ですね。
量販店の下請業者にそこまで求める方が野暮ですかね。

お預かりした室内機を丸洗いするため、電気系統を取り除いて完全分解


エアコン専用に開発された洗浄剤と、高圧洗浄機でスミズミまで丁寧に洗います。


1台目 熱交換器


1台目 ボディ内部


1台目 ドレンパン


1台目 ファン


2台目 熱交換器


2台目 ボディ内部


2台目 ドレンパン


2台目 ファン


洗浄が完了すると、再取付けにお伺いします。


本当は先週の土曜日に取付けにお伺いする予定だったんですけど、雨模様だったため本日になりました。
今日はとてもいい秋晴れです。


配管類を接続していきますが、断熱材が短くなって裸になっているところはしっかりと断熱をしておきます。


配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。


作業が完了すると試運転を行い、


異常がない事を確認してお引渡しです。

「結局スリーブは入っていて原因は判りませんでしたけど、洗浄してもらって良かったです。8年経過しているので、結構汚れてましたね。また何かありましたら、よろしくお願いします。」と、とてもお喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は、空調機器に精通した「 一級冷凍空気調和機器施工技能士」が分解洗浄を行うので、安心してお任せいただけます。

詳細及び、分解洗浄の動画をこちらでご覧いただけます。

2020年10月21日水曜日

水漏れとカビだらけのダイキンエアコンを三菱霧ヶ峰へ取替工事

先月末、工事の受付を中止する前にご依頼いただいたお客様宅へ、エアコン取替工事にお伺いしてきました。

三菱電機製 霧ヶ峰スタンダードタイプ、お客様支給品です。
阿部の様子を、共通のFB友さん繋がりでご覧いただいていたそうで、工事にお伺いできるのがかなり先になる事をご了承いただいてのご依頼でした。

今回、メッセンジャーで詳細な写真もお送りいただいていたので、事前の現地調査もなくスムーズにお伺いさせていただきました。

既存機はダイキン製です。

水漏れしているのと、内部のカビをご覧になって、新築当時から10年以上使われているので、取替えをご希望です。

お部屋は2階。既存配管カバーは流用します。

室外機は1階地上置き。

まずは既存機を撤去していきます。
建物とブロック塀の間隔が狭いため、お隣の敷地へハシゴを立てさせていただいています。
これはお客様とお隣様との良好な関係がなければできませんね。

配管カバーを外すと...

パテは使われていません。
コーキングしているのですが、隙間だらけです...

カバーを留めているビスも、所々浮いています...
恐らく、この新設時にはブロック塀の内側にハシゴを立てて作業したので、ビスを揉む力が入らなかったものと思われます。
仕方ないと言えばそうですが、、、

撤去したドレンホースの先に、防虫ソケットが付いていました。

お客様ご自身が取付けされたそうですが、取付けてから一度もメンテナンスしていないそうで、ヘドロが詰まっていました...
もしかすると水漏れの原因はこれかも知れませんよ。

既存機を撤去しました。
貫通スリーブは入っていますね。
外側をパテ埋めしていなかったのが残念ですけど。

位置決めをして、新しい背面板を取付けます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

ハシゴ作業で配管を新しいものに取替えて、室外機へ接続。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

ドレンホースの末端は地上より上げてやる事で、虫などが入りにくくなります。

作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認してお引渡しです。
「フェイスブック見てて、この人ならちゃんとやってくれそうやと思ってお願いしました。阿部さんがダイキン嫌いで三菱奨めてたんでこれにしたんですよ。また他の部屋もあるんで、お願いしますね。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。

2020年10月20日火曜日

愛媛県立松山工業高等学校電気科のみなさんと匠の技教室を開催

阿部が、一般社団法人愛媛県冷凍空調設備工業会の理事に就任して、ずっとやってみたいと思っていた事が、今日叶いました。

約1年半ほど掛けて、会長、事務局長と共に松山市内の工業系の高校を廻り、職業体験の出前授業の開催を模索していました。
今回、快く迎え入れていただいたのは、電気・機械・建築の世界を目指す子供たちが集う、愛媛県立松山工業高等学校です。

よく、「阿部さんの母校でしょ?」とか言われますが、ここに合格できていたらもっと違う世界が広がっていた事でしょう(u_u*)

今回、「冷凍空調」という内容であるため、機械科でしますか?という案もありましたが、そもそもエアコン工事には「電気工事士」の資格が必須です。
電気科の卒業生の中にも、冷凍空調系の会社に多数就職しているという現状から、阿部が強く電気科推しでお願いして決定しました。


出前授業とか、出張授業とかという、一般的な名目しか思い浮かんでいなかったのですが、「匠の技教室」という、何とも身の引き締まる表題で迎えていただきました。


実は、今日までの準備は、ハッキリ言って地獄でした...
今月10月に開催が決まったのは、今年の春前で、新型コロナが出回り出す前でした。

新型コロナの影響で、いろんな事業が中止や延期を迎える中、「ほんとに開催できるのか?」という思いと、ホントに春からほとんど休みが取れないほど忙しくさせていただいている状態で、9月中旬頃まで何も手付かずの状態でした。

そんな中、9月中旬頃になって「開催しますよ。」のご連絡。
これはヤバいことになる!という事で、10月1日に工事受付の停止をさせていただいた流れになります。
それからも現場はバタバタで、見積りは机の上に山盛り、ホント一週間前まで何も出来ていない状態で、一緒に手伝ってもらえるメンバーさんたちに、かなりお気遣いとご迷惑をお掛けしてしまいました。

日曜日も休まず現場仕事を済ませ、毎日夜な夜な眠い目をこすりながら、高校生のみなさんに伝えたいことをPowerPointにまとめていきました。
この資料がすべて完成したのは、昨日月曜日の午前中です。

それから工業会の事務所で準備、印刷物のお願いと、もう目まぐるしく走り回っていました。

そして本日!
38名の電気科生徒さんが着席。

一発目の挨拶が「軍隊か!」って思うくらいシャキッとしていて、こちらか背筋がピンとなりました。

まずはメンバー紹介を経て、会長が工業会についてご説明。
次に阿部がPowerPointを使って、「空調業界の動向や環境問題について」という、眠たくなる様なお話を朝一番に(^_^;)
阿部が写っている写真は他のメンバーさんに撮ってもらったのですが、微妙に全部ブレています(^_^;)

2時限目は、実際にエアコンを持ち込んで配管接続・試運転を行いながら、エアコンの仕組みについて学んでいただきました。
この部分は、ものづくりマイスターの資格を持ったメンバーさんに解説してもらいながら、横で阿部ともう一人のメンバーさんでエアコンの配管を接続しました。

3時限目は、別のものづくりマイスターさんに、エアコン工事に必要な工具の解説と使い方について講話してもらった後、実際にパイプカッター・リーマー・フレアツールを使って、銅管の末端をフレア加工してもらう体験を行いました。


はじめて触る工具ですから、扱い方も様々。
各テーブルにメンバーが着いて、キレイに加工できる様にサポート。
キレイなフレアが出来上がった子は、かなり嬉しそうな顔をしていました(*^^*)

4時限目は、またまた阿部の座学。
この時間は眠気も吹き飛ぶお話をさせてもらいました。
今回、生徒のみなさんは、エアコンについて少し学びました。
でもそれはほんの一部です。
安易な知識でエアコンを触ってしまうと、とても危険な目に遭うことを伝えました。
ここは一番重要なところですね。
実際に素人さんがエアコンを取外そうとして、室外機が爆発したり、漏れ出した液体フロンを触って凍傷になった事例がありますから。

じゃぁどんな資格が必要で、生徒のみなさんが受験できる資格試験はどんなものがあるの?という、一番知りたいところを説明させていただきました。

はぃ。冷凍空調機器施工技能士の3級であれば、経験年数ゼロでも受験が可能です。
今回受講してもらったのは2年生。
来年度の受験チャンスがありますね。
工業会の方でも、受験サポートさせていただきますよ。

要所要所で質疑応答の時間を取らせていただきましたが、最初1人2人だったのが、どんどん手が挙がる様になっていくのを見て、あぁ、この業界にも興味を持ってくれているんだなぁと実感しました。

この授業で、生徒のみなさんに新しい道は開けたでしょうか。
この体験は、みなさんの心に残る事ができたでしょうか。
我々の業界に少しでも興味を持ってもらって、一人でも多くの仲間を増やせたら、辛く苦しい思いで準備を進めてきた阿部も報われます。

お世話になった先生方にも、好評いただきました。
また来年度も、それ以降も、継続的に続けていきたいですね。

さて、また明日から激務に戻ります...