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2025年6月10日火曜日

地震を感知して電気を止める感震ブレーカー搭載の分電盤取替工事

いつもお世話になっているFB友さんから分電盤取替えをご依頼いただき、本日お伺いしてきました。

「実家の分電盤が古いので取替えてもらいたい」とのご依頼です。
既存の分電盤は松下電工製。

主幹の製造年は2000年製ですから、25年目。
分電盤の内蔵ブレーカの取替え推奨時期は、製造後約13年とされています。
ブレーカーは見た目では故障しているかどうかは判断できません。
定期的にテストボタンを押して動作するか点検する必要がありますが、ほとんどの方がやりませんね。
あと、古いブレーカーの場合、テストでトリップさせると、その衝撃で故障して電源が入らなくなることがあるので要注意です。
メーカーなどが定める推奨時期に取替えるのが一番安心ですね。

では作業に掛かります。
既存盤を撤去する前に、分岐ブレーカーの行き先表示がないため、先に回路の行き先をすべて調べておきます。(これがめちゃめちゃ時間が掛かります)
ケーブルを共噛まししているのが2系統あるので、今回これらも振り分けます。

既存盤を撤去していきます。
停電作業のため急ぎたいところですが、一次側ケーブルを接続しているビスが固着してまったく回りません...
大汗かきながら、なんとかビス3本外して撤去。

盤を外したら大きな開口が現れました。

新しい盤の方がコンパクトなので、開口部が隠れるか微妙でしたがなんとか。
各ケーブルを間違えない様に接続していきます。

今回の盤には感震ブレーカーの搭載をご提案させていただきました。

感震ブレーカーは震度5強以上の地震を加速度センサーで感知すると、3分後に分電盤の主幹ブレーカを強制OFFにして、宅内の電気を遮断します。

擬似的に漏電を起こして、ブレーカーを遮断する仕組みです。
地震の際に起こる火災のほとんどが、電気の漏電やコード短絡による発火が原因とされています。
そのため、避難する前にブレーカーを切りましょうと周知されているのをご存知かと思いますが、この感震ブレーカーはそれを自動的に遮断してくれるものです。
地震の際はパニックになっていますから、これはとても有効ですね。
大切な家財を失わないために、防災士の阿部からお奨めさせていただいています。

パナソニック 感震ブレーカー

「お忙しいのに、ありがとうございました。息子がね分電盤が心配やって、阿部さんならちゃんとしてくれるけん言うてやってもろたんですよ。年寄りやけんね、これで安心やわ。」と、大変お喜びいただきました(^^)

ちなみに、各回路の行き先表示はパソコンで作成して、後日差し込みにお伺いさせていただきます。

アベ冷熱技研は登録電気工事業者で、第一種電気工事士が責任を持って電気工事を行います。
また、防災に詳しい防災士がご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

2025年5月12日月曜日

量販店に断られたエアコン取付工事と電気容量増設工事

Blogをご覧になった初めてのお客様から、エアコン取付工事と電気工事をご依頼いただきました。

「高齢の両親の家が古く、エアコン設置をあきらめていました。昨年の夏は暑く父は熱中症で倒れてしまいました。何とか助かりました。今年はエアコン設置をしたいと強く考えています。ただ、量販店では断られ絶望していたところ、プログを拝見させていただき、連絡しました。」と、現在は他で暮らされている娘さんからご相談いただき、現地調査にお伺いしてきました。

建物は古民家な雰囲気で、かなり年季が入っています。
これまでエアコンは無く、夏は扇風機、冬はヒーターを使われていました。
ご両親の寝室にエアコンを取付けてほしいとの事です。

エアコンには専用コンセントが必要ですから、分電盤から専用ケーブルで引いて来なければなりません。
分電盤は...

おお。確かに、この状態ではどこの量販店に頼んでも断られますね...
ブレーカー2個と、左にあるのはヒューズボックスです。
何十年かぶりに見ました。
漏電遮断器が無いので、とても危険です。
たまにブレーカーが落ちるとの事ですから、とりあえずブレーカーとしては動作している様です。

電力メーターを確認すると、単相2線式です...
2本線なので100Vしか取れない上に、最大3,000Wまでしか使用できません。
これは四国電力へ申請して3本線に張り替えて容量を上げないと、エアコンを取付けても安全にお使いいただくことはできませんね。

電柱からの引込点を確認すると、分岐して隣の倉庫へ行っています???
お客様に確認すると、隣の倉庫は別の方の建物だそうで...
これはちょっとややこしくなりそうです。

とりあえず見積もりと電力申請のために、建物の電気設備の状態を確認していきます。
お父様が元気な頃に電気の線をいろんなところに延長された様で、屋外の軒下やらいろんなところでタコ足状態になっています...

キッチンは高容量の電気製品が多いので、タコ足にしていると熱を持って火災になる確率が高まります。

各部屋のコンセントも少ないため、照明のところからも分けて使っている状態です。

一番危険なのは、こういうヒーター系です。
冬は寒い様で、たくさんのヒーターが置かれていました。

これもタコ足状態で、よく今まで何もなかったですねと思います。

という事で、エアコン工事より電気工事の方がメインになりそうですが、「急がないので、阿部さんのできる時にやってもらえたら」ということでお引き受けしました。

まずは四国電力へ容量増の申請を行うため、図面の作成から取り掛かります。
建物が古くて建築図面すらないため、すべて最初から描かなければなりません。

電力申請を行って、受理されれば工事に掛かります。
今回、エアコン専用コンセントだけでなく、各部屋にコンセントを4個所増設します。
ブレーカーのところから、各部屋へケーブルを通していきます。

古い農家の建物で天井上は農具倉庫になっているそうで、天井裏隠蔽はできないのですべて露出配線で引いていきます。
「こういう建物なんで、見た目は気にしませんから。安全に使えるようにしてもろたら十分です。」とのことで。

コンセントが欲しい場所をお聞きしながら、各部屋へ新しいコンセントを取付けていきます。

洗濯機などの水周りにも一つ。

エアコン専用コンセントも増設できました。

では本題のエアコン取付けに掛かります。
位置決めをして、背面板を設置。

HEPAフィルター付きの掃除機で吸引しながら、配管穴を開けていきます。

土壁なのでこれ以上崩れない様にするためと、配管保護のために貫通スリーブとキャップを取付けておきます。

室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

縁側があるので、一部室内を通ります。

ガラスを一枚外して板を取付け、配管穴を開けて通しました。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りはこんな感じで完成。

とりあえず仮に運転して、異常がないことを確認しておきます。

さて、電気工事に戻ります。
これを分電盤に取替えます。

既存のブレーカー類を撤去。

分電盤を取付けて、ケーブル類を接続していきます。

四国電力から電力メーターを送ってもらって、単相3線式に変えていきます。
幹線ケーブルは、VVF2.6mmx2cからCV-T8sqへ張り替えます。

電柱から引込点までは四国電力持ちなので、とりあえず仮設で接続しておきます。

分電盤に各ブレーカーの行き先表示を入れて完了です。
主幹ブレーカーは50A。分岐回路は12回路。
将来、他の部屋にもエアコンが増設できる様にしておきました。

あと、蛍光灯を全部LEDにしたいとのご希望で、、、

5台、LED化させていただきました。

古い袋打ちコードはすべて撤去です。
以前、お客様が触って感電したそうです...

目についた危なそうな延長コードはすべて撤去しました。

ブレーカーの脇に付いていたヒューズボックスを開けて見ると...
ヒューズでなく、芯線が使われていました。
恐ろしいですね。外して良かったです。

宅内の電気工事が完了すると四国電力へ竣工届を送ります。
受理されると引込班が来て、電柱から建物までの引込ケーブルを張り替えてくれます。
隣の倉庫に分岐されていた引込線は、新たに電柱からその倉庫へ直接引き替えてくれました。
いろいろと大変だった様ですが、電力さんが全部対応してくれました。

これですべての工事が完了して、晴れてエアコンが使える様になりました。
「阿部さん、引き受けてもらってホントにありがとうございました。これで今年の夏は熱中症にならずに済みそうです。また何かあったら助けてくださいね。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。