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2025年10月25日土曜日

エアコン水漏れ修理のついでに取外し分解洗浄作業

いつもお世話になっているバイオリン教室の先生のご依頼で、エアコン修理と洗浄のご依頼をいただきました。

三菱電機 MSZ-ZXV8019S-W(2018年製)フィルター自動掃除機能付きタイプです。
以前、アベ冷熱技研でお買い上げいただいたものになります。

8月の暑い時期に「室内機から水漏れがするので、点検をお願いします。」とご連絡いただきまして、点検にお伺いしていました。
右の下からポチポチと漏れてきます。
出る時はかなりの量が出てくるそうで...

漏れの原因を探るため分解していきます。

ドレンパンを外したところで、何か欠片が出てきました...
ドレンパンの右側が割れていますね。

目を凝らして良く見てみると、周辺に無数のクラック(ひび)が入っています。

内側までクラックが入っているので、ここから染み込んで漏れていた模様です。
ドレンパンにクラックが入る理由は様々です。
一番多いのは熱交換器からのガス漏れで、ガスと共に滲み出た冷凍機オイルが樹脂を痛めることが、以前はよくありました。
今回もそれかと思い、熱交換器からガス漏れを起こしていないか慎重に調べましたが、その形跡はありませんでした。
残る原因は、ドレンパンに何かしらの薬品が流れたか、そもそもドレンパンの素材が悪く、経年でクラックが入ったかのどちらかと思われます。
薬品というのは市販のスプレー式の洗浄液などですが、お客様は使われていないそうなので、それは無いかと。
部屋の空気環境によっては水分との化学反応で樹脂が痛むという話も聞いた事がありますが、バイオリン教室でそれも無いかと。
単純に運悪く素材が悪いものが当たったのかなぁという見解です。

メーカーへクラックが入った状態で送れば、精密な試験を行ってくれますが、この時はまだ8月で冷房をガンガンに使っている状態でしたから、とりあえず水漏れを止めて使える様にしなければなりません。
アルミテープでクラックの所を塞いで、上からコーキングを塗り込んで水が染み出ない様に応急対策を行いました。
これをやってしまうとメーカー試験ができなくなりますけど仕方ありません。

とりあえず水漏れは止まって、エアコンが使える様になりました。
内部が汚れていたので、夏が終わって涼しくなった頃にドレンパンの取替えと分解洗浄をお奨めさせていただいていました。

そしていつまでも暑かった10月後半にり、やっと洗浄ができる様にりました。
室内機を取外して、お預かりします。

お預かりした室内機を丸洗いするため、電気系統を取り除いて完全分解。

エアコン専用に開発された洗浄剤と、高圧洗浄機でスミズミまで丁寧に洗います。

熱交換器↓

ボディ内部↓

ファン↓

ドレンパンは部品を取り寄せて、新しいものに取替えました。

洗浄が完了すると取付けにお伺いします。
室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。
え?これ室外機どうなってるの?と思いますよね。

こんな感じです。古いテナントビルなので仕方ありません。

取付けが終わると試運転を行い、異常がないことを確認してお引渡しです。

これでまた快適にバイオリンの練習ができますね(^^)

アベ冷熱技研は、空調機器に精通した「一級冷凍空気調和機器施工技能士」が分解洗浄を行うので、安心してお任せいただけます。

詳細及び、分解洗浄の動画をこちらでご覧いただけます。

2025年8月27日水曜日

2年前に洗浄したエアコンの効きが悪くなったので...修理?

いつもお世話になっているお客様のご依頼で、エアコンの修理?にお伺いしてきました。

5年前にお買い上げいただいた霧ヶ峰の効きが悪いとの事で点検に。
このエアコン、2年前に一度分解洗浄を行っています。

お客様はガス不足を疑われていましたので、まずはガス圧測定から。

冷房運転で16℃設定。外気温30℃。ガス圧は0.95MPaなので、ガス圧正常。

ガス漏れの疑いはありません。
室内機吹き出し温度は13.8℃。吸い込み温度が28℃くらいですから良く冷えています。
ガス圧、吹き出し温度、共に異常なしです。

吹出口から出てくる風の量が、強風にしているにもかかわらず少なく感じるので覗いて見ると...
あぁ...またですね...
前回2年前に洗浄した際も、ファンにびっしりとホコリが付着していて風がほとんど出ていませんでしたから。

なんでこんなに短期間で汚れるか?
ちょっと言いにくいんではありますが、ホコリやカビの付着はエアコン自体のせいではなくて、そのお部屋の空気環境に大きく左右されます。
特にペットが居るお部屋は要注意です。

今回のお部屋は2階リビングでキッチンが同じ空間にあります。
20畳ほどある広い部屋な上に高天井という環境。
このエアコンを設置する際に「能力不足になりますよ」と念押しさせていただいたのですが、当時お客様のご希望で、20畳の部屋に10畳用のエアコンを設置しています。
設置当初は能力不足でもフル運転すれば何とか効いていますが、今回の様にファンが汚れて風量が落ちると、広い部屋の隅々まで冷風が行き渡らなくなってテキメンに影響が出ます。
常にフル運転していますから、ホコリの付着度合いも酷くなる悪循環になります。

はぃ。阿部としてはきちんとご説明しています。え?怒ってなんかいませんよ。
お客様が選択されていますから、仕方ありませんね。

さて、エアコン分解洗浄の受付はまだ再開していません。
これだけ毎日熱中症警戒アラートが発令されている状況で、エアコンを外して持ち帰るとか無理ですよね。

能力の大きなエアコンに取替えませんか?それなら半日で取替工事が完了します。とお奨めさせていただきましたが、「いや。今回はこのエアコンを洗ってください。」とのご希望でしたので、外してお預かりしました。
暑いですけど我慢されるそうです...
隣のお部屋にもエアコンがあるそうなので。

持ち帰った室内機をバラしていきます。
ホント、8年くらい使いました?っていう位のビッシリさです。

そう言えば先月、「水漏れがするんよ。」とのご相談もいただいていました。
その時は、お客様ご自身が「ドレンホースを掃除機で吸ったら、ヘドロみたいなのがゴボゴボ言うて出てきて治りました。」とご連絡いただいていました。
その原因がコレですね...
ドレンパンに大量のスライムが発生していました。
これが剥がれてドレンホースを詰まらせたんでしょう...

お預かりした室内機を丸洗いするため、電気系統を取り除いて完全分解。

エアコン専用に開発された洗浄剤と、高圧洗浄機でスミズミまで丁寧に洗います。

熱交換器↓

ボディ内部↓

ドレンパン↓

ファン↓

洗浄が完了すると取付けにお伺いします。
室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

取付けが終わると試運転を行い、異常がないことを確認してお引渡しです。

「おぉ、やっぱり風の量が違う。これでまた2年くらいは安心やね。また効かなくなったらお願いするけん。」と...
いや、ホント能力の大きいエアコンに取替えてください。
短期間で洗浄を繰り返すのは機器にとってもよろしくありません。
部屋に合った適正な能力のエアコンに取替えるのが一番ベストだと思いますね。

【ご注意】記事中にも書きましたが、夏場繁忙期の現在はエアコン分解洗浄の受付を行っていません。今回は洗浄という形の「修理」で緊急対応させていただきました。洗浄修理は当社販売品のみとさせていただいていますので、ご了承ください。

アベ冷熱技研は、空調機器に精通した「一級冷凍空気調和機器施工技能士」が分解洗浄を行うので、安心してお任せいただけます。

詳細及び、分解洗浄の動画をこちらでご覧いただけます。

2025年8月25日月曜日

エアコン使い過ぎて停電...メインブレーカー60Aなのに?

先々週は長いお盆休みをいただいていましたが、実は休み中もいろいろとエアコンの不具合などのご連絡をいただいていましたが、ほぼお電話やメールで済む案件でした。
その中で、通常なら緊急案件というご連絡が、古くからお世話になっているお客様からありました。

「阿部さん、お休みのところすみません。ブレーカーは切れてないのに、エアコンが全部使えなくなって、キッチン周辺のコンセントとか照明だけ使えるんですけど、これどういう事か解りませんか?」と。
以前にも他でこういうお問い合わせがありましたから、四国電力へ相談されてみてくださいと一旦電話を切りました。
ブレーカーが切れてないなら、電柱側のヒューズだろうという考えです。
しばらくしてお客様からご連絡があって、「スマートメーターで電圧確認したら電力側の異常ではないので、電気工事屋さんに確認してもらってください。と言われました。」と。

ああ...分電盤のメインブレーカーの故障かなぁ... 盆休みなのでブレーカーは手に入らないし...と考えていると、「阿部さん、これ自宅じゃなくて別宅の方なんで、とりあえず冷蔵庫は使えてるんで、盆休み明けでいいですよ。エアコンで忙しいでしょうから、9月でもいいし。」とのお言葉にベッタリと甘えさせていただいていました。

でもまぁすごく気になるので、盆明けに点検にお伺いしていました。
分電盤のメインブレーカーは60A。
十分な容量があって、ハンドルはONになっています。

単相3線式なので一次側の線は、R相(赤)・N相(白)・T相(黒)の3本線でメインブレーカーに接続されています。

まず、T相とN相の間の電圧を測ると100V以上出ていて異常なし。

次に、R相とN相の間の電圧を測るとほぼ0V... 
メインブレーカーの異常ではなく、R相側が欠相している(切れている)様です。

でも、電力さんはスマートメーターまでは異常なしと判断されていました。
スマートメーターのところへ行ってみると、古いボックスが...

蓋を開けると、、、うわぁ...CKS(カバースイッチ)だ...

しかも、30Aって記載がありますよ...
分電盤のメインが60Aなのに、CKSが30Aって狂ってますよね...

カバーを開けてみると案の定...

R相側のヒューズが見事に溶断していました。
CKS内にはこの様なヒューズが入っていて、容量を超えるとヒューズが溶けて回路を遮断して、ケーブルが燃えない様に保護する仕組みです。
近年ではCKSは使われません。ブレーカーを設置するのが基本です。
今回の様に、ヒューズが切れてしまうと交換するまで電気が使えないからです。

そもそも分電盤が60Aメインなのに、なぜ30Aなのか。
お客様にお聞きすると増改築を繰り返していて、建築屋さんが連れてきた電気工事屋さんが分電盤を取付けた様です。
本当に電気工事屋さんだったんでしょうか?
有資格者ならこの様な工事は行いません。

引込点からメーター経由~分電盤までのケーブルサイズは8sqでした...

VVR8q×3cなので、ケーブルの許容電流は40A程度です。
60Aメインは恐ろしいですね。
30AのCKSが無かったらと思うと、ぞっとします...

さて、どうしたものかと言うことで、数日考えて本日この様にしました。
CKSを取外して、サーキットブレーカーに替えました。

電力申請してケーブルを張り替えて、分電盤の60Aメインを目一杯使える様にするのが最善策である事は百も承知ですが、そうなると結構な費用が掛かります。
増築を繰り返しているので正確な図面も無いため(本来であればないとオカシイ)、建物の図面から作らないといけないため、かなりの時間も掛かります。
最初に書きましたが、この建物、自宅ではなくて別宅です。
たまに来ては寝泊まりする程度の状況で、急いで費用を掛ける必要はありません。
今回はエアコンを使い過ぎてヒューズが切れたんですから、使い過ぎない様に使えばいい話ですね。

という事で、CKSをブレーカーに交換して、すべての電気が使える様になりました。
これで終わりではなくて、分電盤に行き先表示がなかったので、各回路を調べてみたら...
上段に100Vのエアコン回路が並んでいました...
上段がR相側ですから、エアコン3台を一斉に運転すると切れて当然ですね。

ちなみにリビングの200Vエアコンと寝室の100Vエアコンを運転している状態で、電流値を測ってみます。
まずはT相。 5.48A。

R相は... 19.4A...
流れる電流値が非常にバランスが悪い状態です。

R相とT相にバランスよく配分するために、エアコンの回路を振り替えました。

これで少しはマシになりました。
はぃ。マシです。完璧ではありません。
どちらかの相で30A以上電流が流れると、メーター脇の30Aブレーカーが切れる事になります。
この状態をしっかりとお客様にはご説明させていただいて、今回はこれで復旧完了とさせていただきました。

ちなみにこの様な修理作業は、基本的に施工した業者さんへ依頼をお願いしています。
懇意にさせていただいているお客様以外はお引き受けしませんのでご了承ください。