三菱電機 MLZ-W5622AS 2方向天井カセット形ハウジングエアコンをお買い上げいただきました。
既存機も三菱霧ヶ峰でした。
この夏も動いていましたが、突然ランプが点滅する様になって動かなくなったそうです。
1999年製造。取替えをご希望です。
広いリビングに一方向吹出し。
それも、なぜか部屋のほぼ中心部分に室内機が設置されていました。
部屋の片方は良く冷えているのに、反対側はムワッと暑いという状態で、今回取替えるにあたって、二方向吹出しタイプにして欲しいというご要望です。
しかし、どういう考えでこの位置に一方向を設置したんですかね?
あと、このエアコン、室内機×2台、室外機×1台の二室用マルチエアコンになっていました。
もう一台の室内機は、隣の寝室に設置されていました。
こちらの部屋は、既に単独でエアコンが設置されていたので、今回こちらは室内機撤去のみ。
室外機はベランダに置かれています。
リビングの設置位置と言い、この配管の曲げ具合と言い、取外す前から嫌な予感がいっぱいです...
それでは取外しに掛かります。
室外機のカバーを外すと、チャージバルブのキャップがありません。
変色具合から、設置当初から取付けられていなかった様です。
バルブ周辺の色味から、少しガス漏れしている様ですね。
今回、電気系統の異常でポンプダウン運転ができないので、内部に充填されているフロンガスを、回収ボンベへ回収します。
この作業は、第一種フロン類充填回収業者の登録がなければできません。
室外機を撤去しました。
配管を確認してみると、案の定、3分の銅管は折れていました。
3分は寝室の方なので、これは流用しません。
リビングの4分も、ほぼ潰れていました...
パイプベンダを使うとか、座屈防止材を使うとか、やり方はいろいろあるんですから、こういうのは止めてほしいですね。
銅管が潰れているとガスの流れが悪くなって、機器本来の性能が発揮されません。
かなり時間が掛かりましたが、なんとか銅管の潰れを修正して、銅管を溶接延長。
室外機を据えて、配管を接続しておきます。
ここまでが昨日の作業でした。
午後スタートの夕方までで、半日掛かりました。
そして本日は、午前中からスタート。
既存の室内機を撤去していきます。
ここでも嫌な感じは的中で、吊り下げているボルト・ナットは締められてなく、手で簡単に緩みました...
室内機を撤去。
吊りボルトを下げていたLアングルは、H鋼に乗せてあるだけで簡単にずれます...
まぁ、落ちる事はありませんが、これまでの数カ所の不具合を見て、プロの施工ではありませんね。
さて、今回二方向タイプへ取替えるため、機器が少し大きくなります。
天井の開口を広げなくてはなりません。
石膏ボードはなんとか開口できましたが、補強がご丁寧に4方向全てにガチガチに入っていました。
在宅のお家ですから、サンダーやレシプロソーで豪快にカットはできません。
倍力万能ハサミで、チマチマとカットしました。
全部カットするのに、もの凄い時間が掛かっています。
開口完了。
吊りボルト位置も変更しておきます。
Lアングルは、動かない様にしっかりと挟み込んでおきました。
建物が鉄骨造なので、反対側にはH鋼、こちら側にはブレスがあって、なんともやりにくい状況です。
新しい室内機は19kgあるので、電動リフトで吊り込みます。
吊り込みが完了すると、配管類を接続していきます。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。
昨日、室外機を接続しておいて正解でした。
今日は曇りの予報だったのに、にわか雨が何度か降って慌てました。
あとは、化粧パネルを取付けて完成。
作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認してお引渡しです。
二方向吹出しで、しっかりとリビング全体に行き渡る様になりました。
あ。壁掛けの撤去が残っていますね。
室内機を外して見ると、大きな開口が...
配線器具のカバープレートで塞ぐつもりでしたが、開口が大きすぎて断念。
どこまでも残念な施工でしたね...
「いいですよ、うちの息子が器用でいろいろ自分でやるんで、このまま置いておいてください」と言うことで、今回はお客様に甘えさせていただきました。
「お一人で大変でしたね。二方向から風が出るのはいいですね、気持ちがいい。室外機も静かになったし。ありがとうございました。」と、大変お喜びいただきました(^^)
アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。
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