初めてのお客様のご依頼で、エアコン取付工事にお伺いしてきました。
ダイキン製うるさらX 6.3kwタイプ お客様支給品です。
最初、お電話で「分譲マンションなんですけど、お願いしていた取付業者さんに、エアコンの穴が小さすぎてこのエアコンを取付けるためには穴を広げないとできないって言われて、エアコン置いたまま連絡が取れなくなったんですけど、そちらで穴を広げてもらう工事なんかはお願いできるんでしょうか。」と、ご相談いただきました。
拡張工事はできますけど、分譲マンションなら管理組合で許可を取ってもらう必要があります。恐らく許可は出ないでしょうね。
その時は軽くお話して電話を切りましたが、ずっと頭の中に残っていました。
数日してもう一度お電話いただきまして、自分も気になるし確認したいので現地調査にお伺いさせていただきました。
工事の途中で放棄されたそうです... この状態で2週間以上連絡が取れないとの事...
室外機の梱包も外された状態でした。

梱包外してしまっているので、返品交換もできない状態です。
既存機に不具合があって取替えるつもりだったそうです。

室内機と配管は取外されているのに、、、
室外機は降ろせなかった様で放置されていました...
実は他の部屋も...

配管切り飛ばしている時点でまともな業者の仕業ではない事が判りますね。
エアコン機器はお客様がネットで購入されたそうで、18畳用のつもりが20畳用を間違って注文してしまったそうです。
そのため、配管サイズが太いので穴に通らないと説明されたそうで。
やはりネットでエアコンを購入される際には、それなりの知識が必要ですね。
自業自得と言ってしまえばそれまでですが、販売する側にも少しは責任を負わせる制度にしないと、こういうトラブルはこれからも増えると思います。
では、ホントに通らないのか?
確かに、最近のマンションに比べると70Φは小さいです。
ダイキンのうるさらは加湿ホースという、他のメーカーには無い(パナソニックの一部にもあり)ものが必要です。
これが断熱ホースで太いんです。

部屋の湿度をコントロールするため、室外機で作った湿った空気をこのホースを通じて室内機から放出する仕組みです。
ね。こんなもの必要ありませんよね。数年すると中が湿気でカビだらけになるカビ製造機ですから。
こんなものがあるから、こうやって困るお客様もいらっしゃるし、我々業者も取付けに苦労するんです。
加湿したければ加湿器買えばいいんですよ。
あ。すみません。ダイキン嫌いなもので、書きだすと止まらなくなるんです...
さて、70Φの配管穴に、冷媒配管2分4分と断熱ドレンホースとVVF2.0x3cと加湿ホースが通らないか検証します。
ほら。真っ直ぐ入れると通るじゃないですか。
まぁ実際にはここで配管を曲げないといけないので、このまま作業するとなると苦労するのは目に見えてます。
でも放棄して帰ってしまうほどの事ではありませんね。
お客様に穴の拡張工事は必要ありませんとご説明させていただいたところ、「放棄して行った業者は信頼できないんで、阿部さん取付けしてもらえませんか。」とご依頼いただきまして、本日お伺いしてきました。
では、取付けに掛かります。
取外し方も荒かったんでしょうか、大きな穴が開いてしまってダクト取付けも苦労しそうです...

配管穴ですが、配管キャップを外すと内部のスリーブは80Φあります。
十分でしょ。これで通らないならエアコン取付業者辞めてください。

位置決めをして背面板とMDダクトを設置。

既存機と同じ位置にすると配管接続が穴の中になるため、全体的に左へ寄せています。
4分の銅管は手曲げで急激に曲げると潰れてしまうため、ベンダーを使って丁寧に曲げます。
室内機を掛けて、配管類を接続していきます。

穴にはこんな感じで通っています。

石膏ボードの上の方は少し削りましたが、スリーブ内はまだ余裕がありますね。
80Φあれば、うるさらの2分4分でも余裕で通ることが証明されました。
外部配管は、アイボリー色のスリムダクトLD90で化粧仕上げ。
配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

室外機周りは、こんな感じで完成。

ドレン排水は、排水溝まで塩ビ管で導きました。
作業が完了すると試運転を行い、異常がない事を確認してお引渡しです。
「あぁ、今晩からゆっくり眠れます。何度熱中症になりかけて救急車呼ぼうかと思ったか...。本当に助かりました。またお願いしますね。」と、大変お喜びいただきました。
お客様はしばらく入院されていたそうで、体調の悪い中、エアコンが1台もない状況で3週間近く、よく我慢されたと思います。
ホント、放棄して連絡のつかない業者は、なにを考えているんでしょうね。
この時期にエアコンが無いのは、命に関わります。
業者選びも真剣に考えましょうね。
アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。