2020年2月2日日曜日

温度ムラの激しいデイケアエリアを快適な空間に変えるエアコン取替工事

いつもお世話になっているグループホーム様にて、デイケアエリアのエアコン取替工事にお伺いしてきました。

三菱電機 PLZ-ZRMP80SEFGV 天カセ4方向吹出しタイプ8.0kw(3馬力)
三菱電機 MSZ-FLV7120S-W 壁掛形ルームエアコン7.1kw


以前から「阿部さんの空いている時でいいので、デイルームのエアコンの相談に乗って欲しいんです」と言われていまして、年明けに調査にお伺いしていました。

広いエリアに、対面に設置された壁掛形パッケージエアコンが2台。

簡単に平面図を描くとこんな感じです↓



図面上が南側になります。
広いエリアの南側に設置されているエアコンは、暑いところと寒いところの気温差が激しい設置位置でした。

特に西日の当たるキッチンエリアは、地獄だそうで...

オーナー様は、「この前、阿部さんにうちの自宅に付けてもらった天井埋込みのエアコンを、ここの真ん中に付けて欲しい」とのご要望でしたが、真ん中だけだとキッチンの温度ムラは解消されないため、ルームエアコンの能力の大きなものを取付ける方法でご提案。



ちなみに動力(三相)電源は取れないので、天カセタイプは単相電源で動くもので一番能力の高い8.0kw(3馬力)タイプをチョイス。
壁掛けタイプは、3馬力に近い7.1kwタイプをチョイスしました。

既存機が5.6kwと6.3kwなので、十分な能力アップです。
ただし、新しく取付ける機種はムーブアイ搭載の省エネタイプなので、電気代はほぼ変わりません。

早速ご依頼いただきましたが、平日はデイケアで使用しているため工事はできません。
土曜日、日曜日はお休みとの事で、昨日と本日の二日間を使っての取替工事です。

では作業に掛かります。
変なところに点検口が付いているんですが、これがエアコンを新設するには抜群の位置に付いていまして、ここから天井裏へアクセスします。


このエリアは平屋のため、天井裏は歩き回れるほど開放的です。

外は寒いですけど、ここはほんのり温かいです。
ここ、真夏は地獄でしょうね...(^_^;) この時期にご依頼いただいて、ありがたいです。

まずは既存機を撤去するため、ポンプダウンして、機器内のフロンガスを一旦室外機へ回収します。


配管も撤去しますが、この建物、すべてのエアコン穴にパテが詰められていません...
ダイキン系の業者が施工したのは知っていますが、酷いですね...


他の作業をしている間に、室外機へ回収したフロンガスを回収ボンベへ抜き取ります。

業務用エアコンを廃棄する場合、フロン排出抑制法により、機器内のフロンガスを回収して破壊処理を行わなければなりません。
みだりに大気中へ放出すると、法に則り罰せられます。

では、天カセタイプを中心に取付けるために、墨出しを行います。

広いエリアですが、mm単位で決めます。

位置決めが終わると、引き回しノコで天井を開口していきます。


900mm角の大きな開口ができました。


梁と梁にC形チャンネルを乗せて、室内機を吊るための全ネジボルト設置。


配管を通すための穴を、外壁に開けます。


室内機から配管穴へ向けて、勾配を取りながらドレン管を設置。


冷媒配管も入れておきます。


ここからルームエアコンの方へ取り掛かります。
位置決めをして、背面板を取付けます。


慎重に配管穴を開けていきます。


配管穴を利用して、電源ケーブルを通していきます。


ルームエアコンと天カセの電源ケーブルを、分電盤のところまで通しました。


撤去した2台の壁掛形エアコンの専用回路があるので、天カセの方は30Aのブレーカーに取替えて接続しました。


ルームエアコンはコンセント式なのでOK。

天カセの方は室外機へ直繋ぎ式です。

室内機を取付けて、配管類を接続していきます。


もちろん、外部配管はスリムダクトで化粧仕上げ。


設置場所が傾斜しているので、平置台を使って室外機を設置。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。

外周りはこんな感じで完成です。


試運転を行い、異常がない事を確認してルームエアコン側が完成。


天カセの方に戻って、電動アッパーを使って室内機を吊り込みます。


素人さんが見てもよく解らないと思いますが、左右ルーバーユニットを取付けています。

これによって、上下左右全方向へ向けて風を送る事ができるので、温度ムラ解消に最適です。

配管接続がまだですが、パネルを取付けておきます。


配管接続は、天井裏から楽々施工です(^^)


なぜか余った断熱材が天井裏に散らばっていたので、室内機の上にもみっちりと敷き詰めておきました。

かなりの断熱効果で、効率も上がると思います。

配管接続完了後、電動式真空ポンプを使って配管内部を真空乾燥させます。


外周りはこんな感じで完成です。

こちらも右下がりでかなりの傾斜が付いているので、平置台を使用しています。

作業が完了すると、電源を投入して初期設定。試運転を行ってお引渡しです。


この天カセ。三菱のフラッグシップモデルで、人感ムーブアイ360°搭載で、エリア内を見張って温度ムラがない様に自動運転を行ってくれるスグレモノです(*^^*)


すっきりキレイに納める事ができました。


全体を見ると、こんな感じです。

「わぁ、やっぱり天井埋込みの方がスッキリしますね。いつもキレイに工事していただいて、安心してお任せできます。土日のお休みにしていただいて、ありがとうございました。」と、大変お喜びいただきました(^^)

アベ冷熱技研は「一級冷凍空気調和機器施工技能士」「第一種電気工事士」の責任施工。
お客様にぴったりの機種選定から、機器を長持ちさせるエコロジー工事まで、お気軽にご相談ください。

2020年1月30日木曜日

愛媛県立吉田高等学校で冷凍空調設備工業会の体験学習出前授業を行いました

今日は、愛媛県冷凍空調設備工業会の担当理事として、朝早く高速に乗って南予の吉田町まで体験学習出前授業に参加してきました。


お伺いしたのは、愛媛県立吉田高等学校。

吉田高校は普通科だけでなく、機械建築工学科、電気電子科などがある、技術系の学校でもあります。
愛媛県冷凍空調設備工業会では、現在の会長のご縁から、数年前から出前授業を行っています。
阿部は今期から理事となり、この事業の取りまとめを任命されています。
阿部にとっては初めての事ですから、今回は今までの授業の流れを確認するために、サポートに回りました。

授業は三時限の枠をいただいて、我々の業界についての説明、どのような仕事をしているか、環境問題やフロンガスについて、エアコンの仕組みなどの座学を行ったあと、実際にエアコンを持ち込んで配管を接続、真空引きを行って試運転までの一連の作業を披露。


一通りエアコン工事に関して興味を持ってもらった後、実際に銅管の接続部分を加工する、フレア加工作業を体験してもらいます。


用意したのはフレアユニオンと銅管。
使用する工具はフレアツールとリーマー、パイプカッター。


まずパイプカッターで銅管を切断することから始まり、切断面のバリをリーマーでキレイに取り去ったあと、フレアツールでフレア加工を行います。


エアコン工事ではこの作業が一番の肝です。
銅管を開いたフレア部分は、パッキンの役目も行うため、キズの無いピカピカの鏡面仕上げにならないといけません。


こんな感じで接続して、フレアナットを締め込む仕組みです。

なぜバリ取りが必要か、なぜコンマ何ミリの加工が必要か、各テーブルで細かく教えてあげると、「へぇー」と笑顔で理解してくれました(^^)

質疑応答の場面では、やっぱり気になる資格についての質問が。

高校生の間に取れる資格、社会人になって経験年数を踏まないと取れない資格などさまざまあるこの業界。
日々勉強のこの業界に少しでも興味を持って、近い将来同じ世界で仕事ができたらいいですね(*^^*)

さて、阿部はこの経験を持ち帰って改善点を練り直し、松山の高校でもこれを活かして活動ができないか模索をする任務があります。
青年部とも連携していいものを作って、我々の業界にひとりでも多くの優秀な若い人材が加入してもらえる様、頑張ってまいります<(_ _)>

2020年1月25日土曜日

電力契約を変更して基本料金を削減する電気工事

年明けから取り掛かっている、FB友さんからのご依頼の店舗移転のためのリフォーム工事の中の、電気設備工事が完了しました。


最初のご相談は、「移転先の電気代が気になるのと、電気工事をお願いしたいです。」というお話でした。
店舗兼住宅だった中古建物を購入されたとの事で、現地調査にお伺い。

既存の分電盤の右上に、電力量計と分電盤があります?

どうも、税務申告のため、住宅エリアと店舗エリアの電気使用量を分けて見ていた様です。
既存のブレーカーが空いているのは、店舗エリアのブレーカーですね。


税務申告を分けて提出する場合は、こうすることがありますね。
以前にも他のお客様で施工させていただいたことがあります。

ただし今回入居されるお客様は、そこまで電力使用量が多い訳でもなく、分けて申告する事もないので、「この辺をすっきりさせたい」とのご意向で、こちらは撤去して既存分電盤へ集約します。

さて、「電気料金に基本料金が掛かっているみたいで、まだ入居してないのに基本料金が4,000円くらい引き落としされる。」と言う当初のご相談。
調べてみると「従量電灯B」という契約になっていました。



建物全体で6kVAを超える場合、従量電灯Bが適用されます。

この建物は以前、店舗エリアが美容室だったため、全体で12kVAという契約容量でした。
変更申請していませんから、それがそのまま継続されている状態で、374円×12kVA=4,488円、電気をほとんど使ってない状態でも毎月基本料として引き落としされてしまいます。

電力会社側としては、変更申請されてないので知らない訳です。

現在の12kVAと言う契約容量を6kVA以下に抑えれば、「従量電灯A」に切り替えができます。



最低料金が411円ですから、大きな差額になりますね。

という訳で、12kVAと言う契約容量を半分の6kVA以下に抑えれるのか?というところですが、今回の場合は、消費電力の大きな電気製品を使っていた美容室から、ほとんど電気製品を使わない鍼灸院に変わるので、やってみる価値は大きいです。

店舗エリアはこんな感じでした。

動力契約の天カセエアコンについては、1月7日のBlogで撤去の模様を書きました。
なので、動力契約は解約済みです。

天井にたくさんの丸い穴が空いていますが、これはダウンライトの跡です。

リースで借りていたダウンライトだったらしく、撤去されています。
こんなにもたくさんのダウンライトがあれば、消費電力もかなりの物だったことが想像されます。

今回、クロスの貼り替えもあるので、ダウンライトの灯数を減らして、使用電力を少しでも抑えます。

電気図面を描いて、四国電力へ申請。

1階左側半分が店舗エリアですが、店舗エリアは住宅エリアに比べて換算係数が違うので、できるだけ不要なコンセントは撤去して、負荷を減らしています。

電力さんもいろいろ考えてくれて、なんとかギリギリ6kVA以内に契約容量を抑えることができて、申請が受理されました。

さて、工事に掛かります。


不要な電力量計や分電盤を撤去します。


既存の分電盤へケーブルを繋ぎ込んで、盤周りが完了。


店舗エリアのクロス貼りが終わると、照明器具を取付けていきます。


LEDタイプのダウンライトをご提案させていただき、採用されました。


かなりの台数のダウンライトを減らしましたが、鍼灸院なので落ち着いた明るさにできましたね。

奥には既存のLED照明が付いているので、明るさ的には十分です。

四国電力へ竣工報告を上げて、これで基本料金4,000円がなくなりました。
これ以降は、使ったら使った分請求が来る様になります。

とりあえず電気工事が終わりました。
リフォーム工事は、この後エアコン工事に移っていきます。
またそちらも完了したらBlogに書きますね。

アベ冷熱技研は登録電気工事業者で、第一種電気工事士が責任を持って電気工事を行います。
この様な電気工事も、お気軽にご相談ください。